|
|
少子化社会における小児医療 |
|
小児救急、時間外診療と地域医療への貢献、大学小児科の役割 |
大分大学医学部脳・神経機能統御講座 小児科学教授 泉 達郎 |
|
II-1. 大分県下10保健医療圏と小児科医師数、少子化動向 |
|
平成14年11月1日時点での各保健医療圏の小児科医師数は1. 竹田直入0人、2. 東国東1.人、3,4,5. 大野、宇佐高田、臼津 各4人、6. 日田玖珠7人、7. 佐伯8人、8. 中津下毛12人、9. 別杵速見29人、10. 大分64人で、大分県下には133人の小児科医がおりましたが、大分大学、県立病院、国立病院小児科のある大分市と別府市に偏在していた(図1)。
人口動態は各保健医療圏市町村の総人口と15歳未満人口を算出し、その児童構成比を少子率とし、平成4,9,14年10月1日の3点で調査した。この間の大分県の人口は123.4万人から121.9万人、−1.2%、竹田直入は31,241人から28,006人、−10.4%であった。各保健医療圏の平成4,9,14年10月1日におけるそれぞれの少子化率の推移は1. 竹田直入15.0/13.2/11.2%、2. 東国東15.9/14.5/12.9%、をはじめとして、10. 大分19.1/16.7/15.3%と、すべての保健医療圏で少子化は進行した。平成14年の各保健医療圏における小児科医師数と少子化率との相関回帰直線は、12.871×0.39×(地域小児科医師数)で、n=10、相関(r)0.555、z値1.655、p値0.098であった(図2)。
小児科医師の偏在がみられた別杵速見、大分保健医療圏を除いた小児科医のより少ない地域では、11.778+0.277×(地域小児科医師数)となりn=8、r=0.801、z値2.460、p値0.0139となり、統計的有意な相関が見られた。
|