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特集  座談会「子どもの食育」
東京慈恵医科大学名誉教授 前川 喜平 先生
東京女子医科大学名誉教授 村田 光範 先生
こどもの城 管理栄養士 太田 百合子 先生



夜更かし


前川 なるほどね。あと、生活のリズムの夜更かしはどうしたらいいですか。
村田 これも調査がありますが、「どうして夜更かしするか?」と聞いています。幼児は対象にはなっていないのですが、幼児も同じだと思います。小学生が夜更かしする理由の非常に大きな部分は、「家の人たちが寝るのが遅いから」。
前川 そうですよねえ。
村田 特にヨーロッパでは、決まった時間が来れば子どもを子ども部屋に寝かせてしまう。かなり小さいころからそういう習慣づけをしますが、そういう習慣が仮にないとすると、どうしても、今言ったような理由で、親たちの生活リズムというものが子どもの生活リズムを引っ張ってしまっている。だからといって、親たちには夜遅く帰ってきて楽しみもあるでしょうから、もう少し、子どもの生活と親の生活というものを…、わが国では住宅事情もあって、子どもと親の生活リズムを分けるという習慣づけはなかなか難しいと思うのですが、やはり保護者の側への対応をもう少し我々としてはアプローチしていかないと、解決しにくいのではないでしょうか。
前川 「うちの子は眠くないから夜遅くまで起きている」とよくお母さんがおっしゃいます。だけど、子どもは面白いから起きているのです。そういうときには、例えば9時になったらパジャマに着かえ、歯を磨く「寝る儀式」をして寝かせるのです。それをしないと何時までも起きています。今のお母さんたちは、子どもは寝るものだと思っているが、「寝る儀式」をしないと大人の生活リズムとなり早寝はしません。
村田 スウェーデンに行ったときに聞きました。子どもが小学校に行っている場合は、親を4時には帰すのです。ですから、社会ももうちょっと考えないと、少子化はなかなか解決しないですよ。社会的な支援をしてあげないと、親にだけ「これはいいことだからやりなさい」と言っても、なかなかできないと思います。
前川 痛いところですね。




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