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特集 小さな挑戦者たち−木更津社会館保育園− |
「森・里山の保育−すがすがしい子供たち」
木更津社会館保育園園長 宮崎栄樹さん |
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のどかさと緊張が表裏一体の「森・里山の保育」 |
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森・里山は、子どもたちを活発にし、覚醒させ、同時に安心させます。これはたぶん森・里山が自律神経系の機能を活性化し、特にセレトニンなどの分泌を促すからでしょう。本園で静かであった子どもの声が大きくなったり、体の動きがより活発になったりするのはよく見られる反応です。
同時に森の指導者直井洋司氏は、子どもたちに森の危険性を知らせることを忘れません。まむし・スズメバチ・クマンバチ等、本物の毒虫をつかまえて、子どもたちに見せたりします。自然の脅威を排除せずに共存することは、私たちの里山保育の原則です。「害虫という虫は、本来いない。」と直井氏は断言します。自然に対する謙虚さを原点として伝えつつ、森・里山で遊ぶことの基本姿勢を子どもたちに伝えます。(1)子どもたちは扶け合うこと(2)弱い者を強き者達が擁護すべきこと(3)強い者はえばらないこと。このような教育は、自然という、美しく、時に恐ろしくもある体験を経て始めて、子どもたちに伝えられることです。かくして発展途上国の子どもたちのように、ニコニコと知らぬ人を受けいれつつ、なれなれしく甘えることのない、さわやかな子どもたちが育っていくのです。
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