母子健康協会 > ふたば > No.73/2009 > 特集 小さな挑戦者たち−木更津社会館保育園− > 「ここは本当に普通の保育園なのか」
特集 小さな挑戦者たち−木更津社会館保育園−
「ここは本当に普通の保育園なのか」
平成20年度卒園児の父親 櫻井栄一さん



 ここは本当に普通の保育園なのかと自問自答。子どもが泥水を口にし、子どもと先生が泥試合、森に行った子どもの足のにおいは強烈、下着は見事に泥色。一見雑然とする園庭、園舎でも喧嘩をしている子どもたち。しかし先生は、子どもたちを見ていないようで、しっかり見ながら子ども同士の会話を聞いている。
 過保護が当たり前の世の中で、ここの保育園は異常なのか。いやいや異常じゃない。むしろ正常。悪いことを隠したり、面倒な事は担当者に押し付けてしまう世の中で、しっかりと向き合ってくれるこの保育園。
 何かをする前に先生から子どもたちへの指示は必要以上にない。しかし子どもたちはしっかり動く。見ていてハラハラ、ドキドキするけど大きな怪我もしない。
 真冬の北風が強く吹く中、鼻水を垂らしながら散歩に出たり、寒いのに素足で園庭に出て遊ぶ子どもは可哀想とか。運動会であんなに高い竹に登らせて危険じゃないの。子どもをここに預けた事のない親たちは、何であそこに通わせているのか全く理解出来ないでしょう。
 だけどいろんな出来事を足したり、引いたり自問自答して出てくる答えは一緒。ここが社会館保育園だから。社会館に通うことは、可哀想でも危険でもない。逆に社会館へ行くことは息子の勝一も私も嬉しくてしようがない。
 社会館の保育は一見、雑で乱暴に見えるが実際はとても繊細。子どもの本能を園庭で自由に発揮させ、五感を全て使い、毎日を過ごさせてくれる。先生と子どもたちとの親子のような、兄弟のような信頼関係。この全ての人々との関係こそが社会館保育園なのだと思う。




母子健康協会 > ふたば > No.73/2009 > 特集 小さな挑戦者たち−木更津社会館保育園− > 「ここは本当に普通の保育園なのか」
事業内容のご紹介 協会の概要活動の概要設立の経緯協会のあゆみ健康優良幼児表彰の歴史
最近の活動のご紹介
小児医学研究への助成 機関誌「ふたば」の発行シンポジウムの開催 Link:Glico