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第29回 母子健康協会シンポジウム 親と一緒に子育てを
1.コミュニケーション保育の実践
私塾まきば代表 山田 雅井先生



1.子どもとの信頼関係の構築


 私たちの園はすごく小さいものですから、一人ひとりとの関係がとても近いんですね。まず、初めて子どもと会います。そのときにその子が、私という、お母さんでない、初めて会う保育者、先生という立場の者を本当に信頼して、ここで楽しく過ごせるんだ、甘えていかれるんだと思ってもらうことです。子どもが、お母さんがいなくてもここで自分は受け入れてもらえるんだという信頼感を持ってもらうこと、そこがまず出会いの始まりです。
 ですから、泣いている子もいるし、やたらに自己アピールする子もいるし、周り関係なく遊びに飛び込む子もいるし、いろいろな子がいます。けれども、まず、その子のあり方に寄り添っていく。そして、本当に安心していいんだ、自分のままでいいんだという気持ちになってくれたときから、ここでの集団生活を楽しんでいこうねというスタートラインにつくことになります。それは、3日でできる子もいますし、3カ月かかる子もいます。幼稚園ですので、うちの場合は3年保育で、満3歳からお預かりしています。3年保育ですと、1年間かかって、やっと、その子らしさをそのまま受けとめていかれるようになったなとよく思います。でも、その子に合わせていきたいと思います。とにかくその関係が持てたら、卒業までの残された時間をその子のためのプログラムを考えつつ、本当に寄り添って楽しんでいくことができるようになります。




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