母子健康協会 > ふたば > No.73/2009 > 親と一緒に子育てを > 総合討論 > (1)
第29回 母子健康協会シンポジウム 親と一緒に子育てを
総合討論(1)



前川 皆様から休憩時間中に非常にたくさんのご意見、ご質問をいただきました。いま、私たちの力量では、とてもじゃないけど答えにくいような質問もたくさんあります。それをもとにして、三人で知恵を絞って考えていきます。それでは、一番ポピュラーなことで、一番答えにくい質問からいきます。

―どんなに頑張っても嫌いな人がいます。生理的に受け付けず自然にかかわりができません。どうしたらいいでしょうか。

前川 どうしましょう?(笑)何かいいヒントはありますか、小林先生。

小林 私は、学生とかいろいろなところを含めて、よくそういうことを聴かれますけれども、「つき合わなければいいじゃないですか」と言います。別に自分がつき合わなくても、自分が生理的に嫌な方も、ほかの方とは仲良くなれるということはあるわけで、全部自分が上手につき合おうと考えているから余計嫌になるだけですよ、という意味なんです。嫌いだと思い込んで、つき合おうと思うから嫌なんですよ。「嫌いだから、つき合わない」と思ってつき合うと、結構楽しいんですね。その原理がどこまでご理解いただけるかな、ということです。
 私も、心理をやっていますけれども、人間とつき合うのがすごく苦手なタイプです。ずっと苦手です。こういう場では「役割」があるから言えますけれども、役割がなくなると何もできなくなってしまうタイプで、その一番の基本は、嫌な人とはつき合わない。いい人とは仲良くつき合うということを、ずっとやろうと心がけていて気がついたら、いい人と仲良くしていると、嫌な人もそこに入ってきて、一緒に話しているという場面が結構ありまして、結果的にうまくいくという法則だなと思っています。
 だから、苦手だと思う人とは、とりあえず事務的なこと以外つき合わなければいいのかなと思いますね。答えになっているかな。

前川 いまの小林先生の答えで、保育園・幼稚園の保護者と保育士さんとの関係がこういうふうだったらどうしますか、ということがあるのではないかと思います。同僚でもあると思いますけれども。それで、例えば担任制でないときは、どなたか他の保育士さんとか、あるいは園長先生とか、主任とか、上の方と話していただくのも一つの手ではないかと思います。もし自分がその部屋にかかわっていたら、「まだちょっとよくわからないので、園長先生と一緒にお話しします」とか何か言って、それで話の取っかかりがわかって親しくなれば、嫌いだと思った人が何となくいいとこがわかってきて、意外なとこがあるのではないかと思います。「工夫をされてみたら?」ということはあると思いますけれども、もし無理してつき合わなくても済むのだったら、つき合わないのが一番いいような気もしますね。でも、そういう質問があって、それで済んじゃったらずるいですよね。離婚したいという人に、じゃあそうしなさいと言うようなもので(笑)、あまり人生相談にはならないですけれども、山田先生、どうですか。

山田 保育者の中で、とても人づき合いの上手な方がいるんですね。その方は、お母さんたちとの世間話から、子どものエピソードから、とてもよいお母さんとの関係をつくってくれるんです。それでも彼女が「まずい!」と思うと私のほうに振ってくるんです。
 そういう形で、お母さんと保育者だったら、かかわり方、誰か役割をちょっと変えると、そのお母さんの見方も変わっていきますし、担任の先生だったら、うまくいかなかったら上の方にやっていただくという形で、感情を入れずに冷静に対応できる方がその役を担う。
 また同僚同士でも、人数の多い幼稚園と少ない幼稚園では違うと思いますけれども、関係のつくり方を工夫すると、あるとき、「あ、そういうことだったんだ」と気づくときがあるんですね。いままですごく嫌だったのが、「な〜んだ、どこに気持ちがあったんだろう」と、改善されるときもありますので、その嫌な思いだけでぶつかっているといつまでも改善しませんので、役割を振ってお互いにそれを担い合うと、うまくいくこともあると思います。
 最終的には、扱いにくいお母さん、扱いにくい方というのは私のところに来るのですが、私も、扱いにくい方とたくさん出会って、とても訓練されました。ボロクソに言われたこともありますし、思いが伝わらないこともありましたけれども、お母さんの場合は子どもを介してですので、「その子のために」ということです。「お母さんは嫌いだけど、この子は大事だから」「この子が大事だから、お母さんを大事にしよう」という気持ちで一生懸命誠意を持ってつき合っていくうちに、改善されていくことがたくさんあります。
 そしてしばらくたって、「あのことがあってよかった」ということの結果をいただくと、また私の経験の一つにプラスされていきますので、私にとっては、嫌なお母さんと出会ったことは、いまはとてもプラスになっています。まだこれからたくさんあると思いますけれども、小林先生みたいにできればいいのですが、どちらかというと逃げられない立場にいますので、「この子のお母さんだから愛していきたい」という思いで、その役を引き受けていけるのかなと思っております。

前川 いま言ったことでトライをしてみてください。気持ちを変えるとか、いろいろなことがあります。では、次の質問です。




母子健康協会 > ふたば > No.73/2009 > 親と一緒に子育てを > 総合討論 > (1)
事業内容のご紹介 協会の概要活動の概要設立の経緯協会のあゆみ健康優良幼児表彰の歴史
最近の活動のご紹介
小児医学研究への助成 機関誌「ふたば」の発行シンポジウムの開催 Link:Glico