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子どもの病気にステロイドを使うといわれたとき |
山口大学医学部生殖・発達・感染医科学講座 小児科学教授 古川 漸 |
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6 ステロイド薬の投与法 |
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ステロイド薬の投与法を表2に示します。注意しなければならない副作用は同じですが、副作用が特に出やすいのは、ステロイド薬を飲み薬として長期間用いる場合です。そこで、いかに上手に病気をコントロールし、かつ副作用が出ないようにするかが、ステロイド薬による治療のポイントです。ステロイド薬は、上手に使用すれば、これほど治療効果のある薬はありません。アトピー性皮膚炎や気管支喘息の治療によく用いられる外用ステロイド薬と吸入ステロイド薬について簡単に触れておきます。
(1)皮膚外用ステロイド薬(塗り薬)
ステロイド薬を油脂性の基材に混ぜた軟膏剤や、乳剤性の基材に混ぜたクリーム剤は、アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気に用いられ、病変のある場所に直接届くため、効果が確実です。これらの外用薬は血液中にはほんど入らないので、長期に大量使用しないかぎり、全身的な副作用はありません。
(2)吸入ステロイド薬
気管支ぜんそくなどの患者さんでは、発作の予防のために、肺や気管支などに直接作用する吸入ステロイド薬を用います。噴霧式吸入器を使って吸入します。吸入ステロイド薬は肺や気管支から体内への吸収が少なく、吸収されても肝臓ですぐに壊されるので、全身的な副作用がほとんどないという利点があります。ただ、大量の吸入ステロイド薬を長期間用いると、若干の成長障害をきたすとの報告があります。そのような場合でも、薬をやめれば身長の伸びはほぼ正常化することがわかっています。また、のどがイガイガしたり、声がかすれるなど、口やのどに対する副作用がありますが、これらの副作用は、吸入補助具(スペイサー)の使用や吸入後のうがいなどで減らすことが出来ます。
●おわりに
ステロイド薬はこわい薬だという印象がありますが、正しい使い方を知り、医師の指示に従って子どもの病気に取り組めば、決してこわい薬ではありません。
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