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特集 対談 「なぜ今、食育か」 |
神奈川県立保健福祉大学栄養学科長、食育推進会議委員
中村丁次
神奈川県立保健福祉大学人間総合・専門基礎担当科長・東京慈恵会医科大学名誉教授
前川喜平
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楽しく食事 |
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前川 厚生労働省の「楽しく食べる子どもに〜食にはじまる健やかガイド〜」によりますと、「現在を生き生きと生き、かつ、生涯にわたって健康で質の高い生活を送る基本としての食を営む力を育てるとともに、それを支援する環境づくりを進めることが食育」と書いてあって、そのメインが「楽しく食べる子どもたち」ということです。
中村 これはよく議論されるのですが、何か日本人の食卓って楽しくない。
前川 大体、親は子どもに小言ばっかりいってる(笑)。子どもの悪いこととか、近所の子でできて自分の子がやらないこととか、お互いに悪口を言い合って、楽しくないですね。
中村 欧米の文化とちょっと違うところではないでしょうか。
前川 それで特に「楽しく」と強調してあるのですね。
中村 「楽しく」と強調しました。例えば、イタリア人とかフランス人とか一緒に食事すると楽しいですね。ワイワイガヤガヤ。
前川 時間をかけますね。本当に楽しんでいる。
中村 昼でも2時間ぐらいかけます。学会なんかやっても、昼のランチタイムというと。
前川 2時間、3時間休みますね。食事の後で昼寝してたりして(笑)。
中村 日本人の食卓はお説経の場になっているので、やっぱり楽しく食べるという意義を子どもの頃から教えておいたほうがいいのではないかなと思います。
前川 さきの「楽しく食べる子どもに〜食にはじまる健やかガイド〜」には、楽しく食べる子の条件として食事のリズムが持てるとか、味わって食べるとか、一緒に食べる人がいるとか、食物をつくる、それを実際に調理するとか、それを話題にするとかが挙げられております。園庭や畑で食物を栽培したり、取れたものをみんなで調理して食べることは、今、園とか幼稚園でやっていますね。
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