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少子化と性教育に関する一考察
東京大学名誉教授 鴨下 重彦


おわりに


 純潔教育が少子社会を救う、といったら笑われるでしょうか。性に関する過激な情報が、雑誌、週刊誌、テレビ、漫画などを通じて日常生活に氾濫しています。家庭において親はもちろん、祖父母の世代も毅然たる態度で性のあり方を示さねばなりません。学校でも性教育は初潮や生理や避妊の話だけでなく、人間の生き方、生命の尊厳、男女平等のあり方、人を愛するとはどういうことかなど、広く人間教育の一環として若い世代を導いていくことが大切だと思います。
 多少伝説めいた話ですが、「子どもの教育はいつから始めるべきか」と問われたナポレオンは、「子どもの生まれる20年前に、その子の母親の教育から始めよ」と答えたと伝えられています。ジェンダーの人達は反発するかもしれませんが、少子社会を賢く乗り越えるためには、まず賢い母親を育て、その次の世代に期待するしかないと思っております。


参考文献
1) 21世紀を生きる勇気と知恵. 
松岡紀雄 
学士会会報 No.859 p10 2006.
2) 10代は変わったか.(特集) 
学術の動向 2001年9月号
3) 母子保健の主なる統計.
平成17年度刊行 母子衛生研究会編 2005.



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