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第26回 母子健康協会シンポジウム 保育における歯の問題と対応
3.母乳とむし歯、おしゃぶり、指しゃぶりの考え方
神奈川県立保健福祉大学教授
小児科と小児歯科の保健検討員会長
前川 喜平先生



母乳とむし歯


 昔から、母乳を飲んでいると歯が悪くなる。1歳過ぎて母乳を飲ませて歯医者さんへ行くと、「むし歯になるからやめろ」と言われています。それが果たして本当なのか、一体どうして母乳を飲ませるとむし歯になるのか、どうしたらならないのかということを、これからお話しします。
 どうして母乳を飲むとむし歯になるかということですけれども、母乳だけ幾ら飲んでいてもむし歯にならないです。その理由は母乳のpHは6.6から6.8だからです。離乳食を食べさせるでしょう。そうすると、食物が歯に付着して、そこに、さっき前田先生がおっしゃったミュータンスというむし歯のばい菌がつくのです。そういう状態の悪いところに母乳が来ると、そこで酸が産生されて脱灰が起こるのです。お口の手入れが悪いと、再脱灰が起こらないでむし歯になってしまうということなのです。だから、お口の手入れさえよければ幾ら飲ませていてもむし歯にならないということです。
【表9】  では、一体対策(表9)はどうしたらいいか。離乳食を与えたら必ず歯の手入れをするのです。食物残渣を取ってほしいのです。母乳のpHは6.6から6.8です。脱灰するのがpH5.5以下でしょう。母乳が幾ら歯にくっついていてもむし歯にならないのです。その前の食物の残渣、かすを取ってほしい。それだけです。
 それから、1歳半とか2歳になって母乳を飲ませている人は、小児歯科に診てもらう事をお勧めします。お母さんの歯の細菌が子どもにうつる、それに加えて、歯の手入れの悪い親がいるのです。そういう子どもの歯は、歯医者さんが見るとすぐわかる。母乳をやめたほうがいいというのはそういう理由です。
 ですから、もし2歳ぐらいになって母乳を飲んでいる方がいたら、一度、ちゃんとした小児歯科の先生のところへ行って、これから母乳を飲んでいいのか、何を気をつけたらいいのか、ということを診てもらってください。
看板だけではなくて、本当の小児歯科をどうして区別するか、そのことも大切だと思います。
 母乳が悪いのではなくて、飲ませ方が問題。そのことだけ知っておいてください。いま小児科で、お母さんは1歳半から2歳までに母乳をやめる人が多いようです。3歳過ぎまで飲んでいる方もいらっしゃいますので、そういう方にはそういう注意をしてください。




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