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シリーズ「子どもの健康とお砂糖」
第4回 栄養摂取と健康に関する問題
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砂糖を科学する会 |
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現代の社会は、子どもの世界にも肥満・糖尿病・高脂血症といった生活習慣病など、栄養摂取と健康に関する問題があふれています。子どもの栄養摂取には成長や発達が大きく関わってきますから、大人以上にみていくことが必要です。
前回までにみてきましたように、子どもの体や脳のエネルギー源となる炭水化物の中で、砂糖はもっとも速く消化吸収される速効性のエネルギー源であり、子どもの体や脳の発達に有効であることがわかります。また、砂糖は約2千年もの歴史を持ち、人類にとってつき合いの長い馴染みの食品。子どもの大好きなお菓子の材料や料理の味付けはもちろん、飲み物の甘み、苦い薬の糖衣錠などさまざまな分野で、子どもたちの生活に深く浸透しています。さらに、砂糖の甘みには、自然に心をリラックスさせてくれる効果もあります。
しかし、どんなに砂糖がよい食品でも、食べ過ぎれば肥満やむし歯などを引き起こすことは事実。自分にとっての適量を考え、多くの食品をバランスよく食べることが必要です。情報にあふれている現代。子どもが自分で健康によい食品を選び、量をコントロールするのは、大変難しいことです。「砂糖=子どもの肥満やむし歯の原因」という一方的なイメージに惑わされることなく、生活者の皆さんが正しい情報を持ち、適切な食生活やライフスタイルを子どもたちに指導していくことが求められています。
シュガーレス・ノンシュガー |
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「シュガーレス・ノンシュガー」製品には、実に多くの誤解があります。
(1)シュガーというのは砂糖だけでなく、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖など他の単糖類、2糖類も含まれます。これらの糖類が入っていないのに甘いのは、他の甘味料が入っているからです。
(2)「シュガーレス・ノンシュガー」製品に使われている甘味料の中には、砂糖より若干少ないもののカロリーを持つものがあります。また、お菓子には糖質以外にも生クリーム、卵など、エネルギーとなる成分が含まれています。ですから、かならずしもカロリーゼロではありません。
(3)人工甘味料を使ったものには、ほとんどカロリーが無い食品もあります。でも、甘いものを食べたいと感じるのは、体がエネルギーを求めている証拠です。
糖尿病などの疾病を持つ人のカロリー制限には「シュガーレス・ノンシュガー」製品は確かに有効です。しかし、表示の意味を誤解して食べていては、その効果も期待できません。言葉のイメージに惑わされず、成分表示をきちんと見て、賢く判断して利用することが大切です。
砂糖を科学する会
現在、世界のさまざまな機関で、砂糖に関する研究が広く展開しています。そのような世界の状況に呼応し、日本でも砂糖を科学的な視点でとらえ、生活者の皆さんに正しい砂糖情報を身近な形で提供しようと、1997年に「砂糖を科学する会」設立されました。浜松医科大学高田明和名誉教授を会長に、各分野の権威者が参加して活動しております。
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