母子健康協会 > ふたば > No.72/2008 > 特集 座談会「子どもの食育」 > 食事のしかた
特集  座談会「子どもの食育」
東京慈恵医科大学名誉教授 前川 喜平 先生
東京女子医科大学名誉教授 村田 光範 先生
こどもの城 管理栄養士 太田 百合子 先生



食事のしかた

前川 初めて聞きました、男のやせ志向というのは。いろいろ問題ですね。そうすると、子どもの生活習慣病というのは、大人とは変わらないでしょうけれども、極端な肥満とやせが問題になっていて、その一つが、運動不足とファッションということです。
 あと、食事の嗜好から言ってどうですか、太田先生はそういうことと関係していますか。
太田 そうですね。大豆製品やお魚があんまり好きではないですね。だから「好き」となると、ずーっと三食とも肉料理で済んじゃう。それから、やはり野菜嫌いですね。野菜嫌いとなると野菜を全く食べない。幼児のお子さんを持っているお母さんたちが、「野菜は食べないんです」と言って、野菜ジュースで代用されたりする。そうすると、「噛む」ということがあんまりないですよね。
前川 そうなってくると、噛まない。
太田 ええ。そして、「おやつ」のあり方が、私は幼児期においてはすごくポイントだと思っているのですけれども、「子どもが欲しがるときに与えます」というのが倍ぐらいの勢いで伸びています。今は、4割の方が欲しがるときに与えています。以前に、肥満の子と肥満でない子を比較したときに、肥満の子を持つ親は、「子どもが欲しがるときに与える」というのが顕著だったのですが、今はみんなが好きなときにあげている。意識していないでだらだら食いなので、結局、ずっとお腹がすかないような感じです。

前川 与えるものも違いますか。
太田 そうですね。やっぱり肥満の子は高カロリーのものが多いです。アイスクリームやチョコレートもケーキもおいしいから好きというと、結局そういったものを量も決めずにあげてしまうと、当たり前ですが普通の食事にも影響してくるでしょう。だから、空腹感をつくるために、おやつの適量と時間をちゃんと決める必要があるのではないかと思います。
前川 「空腹感」というのは食育のキーポイントです。体を動かして、お腹をすかして、食べる楽しさを味わわせるというのがポイントですか。
村田 だから、「楽しく食べる子どもに」というキャッチフレーズを平成15年につくったと思いますけれども、「食を通じた子どもの健全育成に関する検討会(厚生労働省平成16年2月報告書)」で、パンフレットを二つ作りました。一つは、お腹がすいて、空腹感が楽しく満たされるということが非常に大事だということ。もう一つは、成長曲線を描きましょうと。その二つを普及活動のポイントにしたのですけれども、そういう、正しいというか、生理的な意味での食生活リズムが守られない、あるいは守ることができないというのが、一番大きな問題点だと思います



母子健康協会 > ふたば > No.72/2008 > 特集 座談会「子どもの食育」 > 食事のしかた
事業内容のご紹介 協会の概要活動の概要設立の経緯協会のあゆみ健康優良幼児表彰の歴史
最近の活動のご紹介
小児医学研究への助成 機関誌「ふたば」の発行シンポジウムの開催 Link:Glico