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第26回 母子健康協会シンポジウム |
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保育における歯の問題と対応 |
1.むし歯の問題と対応
日本大学松戸歯学部付属病院小児歯科教授 前田 隆秀 |
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齲触の予防 |
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幼若永久歯に関しましてはむし歯になりやすい。特に咬合面が複雑になっていますので、単純なものにしてしまおうということで、歯をシールしてしまうわけです。これをシーラント(予防填塞)といいます。なおかつ、接着剤の中にフッ素が入っていますと徐々にフッ素が放出される材料が、 最近開発されました。そういうものをむし歯になる前に塗っておいてあげて、予防してしまおうということでございます。メカニズムは、エナメルの間にすき間ができてその中に樹脂が入り込むという形で、そう簡単に取れないということになります。
予防としましては、食生活、砂糖の摂取量、それと同時にフッ素の問題もあると思いますので、まずフッ素の効用をお話しします。
フッ素には、上水道フッ素化は日本の場合はまだ認められていませんけれども、フッ素化物塗布を行ったりまたは、歯磨きの中に入れる。または低濃度のフッ化物で含嗽、うがいをしてあげるという形は認められています。一方で、積極的なフッ化物の応用を反対する立場の人もいます。 反対する理由としては、「事故が起きるから」ということがあると思います。フッ素洗口ですと1週間に1回だとか、ほとんど毎日やる方法とがあります。ほとんど毎日やる方法ですと、0.05%のフッ化ナトリウムを使うわけですけれども、その場合の中毒量としては、3歳児ですと、27人分です。27人分ぐらいのフッ素の洗口剤を飲んでしまうなんていうことはまず起きませんけれども、起きた場合には、急性の中毒量が出ると思われますが、 ヒトを使った実験はできませんから、動物を使った実験を体重換算しています。
発生することはほとんどありませんが、 緊急処置としては、5mgF/km未満でしたら、カルシウム、牛乳とかアイスクリームを与えることによって、数時間様子を見ればいいということでございますけれども、それ以上になった場合には病院等に連れていって吐かせる。ところが、15mgF/kmになったらかなり危ない。特に含嗽は、最近、いろいろなところで使われていますので、知られておいたほうがいいと思います。
また、歯の表面と、噛むところだけではなくて、歯と歯の間もむし歯になりやすい。3歳後半、4歳になっても起きます。これを予防するのに、歯ブラシだけではできません。歯ブラシは当然ですけれども、食生活並びに砂糖の摂取量等も考えて、デンタルフロスというものを使っていただきたいということでございます。
前川 ありがとうございました。
後ほど総合討論のところで、予防のこと、歯をよく磨かない、手入れが悪いとむし歯になるということについて、改めて前田先生にお話をいただく予定です。
次に、子どもの歯の問題と対応ということで、昭和大学歯学部小児成育歯科学教室の井上美津子先生にお話をいただきます。井上先生、よろしくお願い申し上げます。
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