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第28回 母子健康協会シンポジウム 季節と子どもの病気
4.質疑応答(3)



― シラミの子の対応法は

市川 これはたぶん頭ジラミのことだろうと思いますけれども、これは坊主にしていただきたい、そういう答えをよくしています。北九州でもいま、保育園、幼稚園、学校ですごく多くて、年配の看護師さんと卵を探すのを趣味として、「あっ、おる、おる」とか言って喜んでいますが(笑)、とにかく髪の毛を短くすることと、シラミ用のお薬がありますのでそれでよく髪を洗っていただく。それしかないし、櫛でしっかり卵を落とすことも必要だろうと思います。

― 傷口は消毒液を使って消毒するより流水で洗うほうがよいということは本当でしょうか

市川 カッターナイフでパッと切った傷の場合は消毒しなくてもいいのでしょうけれども、例えば転んで土が混じっているとか、目に見えないいろんな異物が入っている、そういうことを想定して、まず流水で洗って、それから消毒をしていただくというふうにお答えしています。流水と消毒どっちがいいかという比較ではなくて、土が入って汚れたのに消毒液だけ塗っていたのではだめですよということです。逆にすごく不潔な状況での受傷なのに、流水だけというのも心配ですね。

― 固形石鹸は雑菌が多いのであまりよくと聞きましたが

市川 確かに固形石鹸は手ですり合わせて泡を立てるし、私たちの手は汚れまくっていますので、そういう意味では雑菌は多いかもしれません。プッシュしてということで、できるだけ人の手が触れていない形で石鹸がとれれば、そっちのほうがより理想的だなというふうには思います。消毒は皮膚に関してはイソジンが一番いいのではないかと私は思っていますけれども、イソジンでまける方、あるいはイソジンが傷の治癒を遅延させるとかいう意見もちょっと出ていますので、なかなかそこは難しいところがあります。

― 吐物がついた床は、ピューラックスでの清拭はどうでしょうか

市川 吐物がついた床はアルコールがいいですよと先ほど申し上げましたけれども、ピューラックスというのは商品名だろうと思いますけれども、成分が何なのか……。
横田 次亜塩素酸ナトリウムです。
市川 では、それで十分だと思います。家具とか床とか、そういうのはアルコールか次亜塩素酸がよく使われていますので遜色ないと思います。

― 麻疹の予防接種は副反応が心配なのでしていないという母親に対して、どのように対応すればよいのでしょうか

前川 まず、予防接種の副作用には、通常の副反応、これは普通の心配のない副反応と、異常反応があります。麻疹で、心配のない通常の副反応は発熱です。発熱は麻疹の予防接種を打った次の週…打った週の1週間前後に一番出るのです。大体37度5分以上に15%から17〜18%位出て、八度以上に出るのが8%くらいです。それから、全体の八%くらいに発疹が出ることがありますけれども、これらはみんな1日か2日で簡単に消えます。それから、注射を打ったあとが痛いとか赤く腫れるというのは当たり前の反応です。
 それ以外に、異常反応として一番多いのが熱性けいれんです。麻疹は予防接種の中で一番熱が出るワクチンです。ですから、熱性けいれんがある方はジアゼパム座薬を前もって貰っておき、熱がでたら座薬を入れるとほとんど心配なく予防接種を打つことができます。私たちがやっている研究班で千人くらいに使いまして、使った方はほとんど心配なくて、けいれんもなく接種することができます。
 つい最近、私の手元に来た厚労省からの副反応で、平成6年〜17年まで、毎年、麻疹の予防接種は110何万ぐらい接種しております。10年間で特にひどい副反応、いわゆるアナフィラキシーショックというのがありますが、それが50人ぐらいです。それは何かというと、予防接種の中のゼラチンアレルギーで起こったもので、いまの予防接種にはゼラチンが入っていませんから、これはないのです。それから、脳症とか脳炎というのが5例くらい出ていました。これは真の副反応というより偶発的なものです。予防接種の副反応は偶発的なものが多いのです。麻疹の予防接種ですと、接種して5日以降4週間くらいの間に起こった異常は全部副反応になってしまうのです。私の知る限り、麻疹の予防接種というのは最も効果があって副反応が少ない予防接種の一つです。ですから、安心してお受けください。
 お母さんに対しては、予防接種を受けて、その病気になってほかの人にうつさないということは、集団生活をする人の一つの道徳心的なもので、ぜひ、「預けるからには打つようにしてください」と勧めたほうがいいのではないかと思います。

― 水疱瘡と診断されたのに、軽いので園に行きたいという保護者がいるのですが、やはり断るべきでしょうか

前川 これは断るべきですね。横田先生、そういうことでいいですね?
横田 はい。

― 怪我をして外科へ行って処置したのですが、縫う時と、テープを貼る時とがあります。縫ったほうがいいのでしょうか、テープを貼ったほうがいいのでしょうか

前川 私が医者になったいまから50年くらい前は、テープがないですから、縫うべきものはみんな縫ったのです。ただ、あとが残ったり何か面倒くさいです。いまの先生方はテープを貼ります。どっちがいいか悪いかではなくて、どっちに慣れているかということで。
横田 小さな傷だと、私も小児科の外来でテープを貼って、外科までわざわざ行かなくてもいいよといって診ることがあります。テープのほうが上手に貼れればきれいに治ることが多いです、きれいな傷であればですね。ギザギザになっていたり大きいものは、やはり縫ったほうがきれいになると思いますけれども、さらにきれいにしたいときは、形成外科の先生にお願いして細かく縫ってもらったりすることもあります。




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