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母親たちの奮闘と医学の進歩 |
熊本大学小児科教授 遠藤文夫先生 |
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最近の進歩 |
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ガスリー博士が開発したテストは赤ちゃんが生まれてすぐに検査をして病気の予防が可能だということを広く世界に知らせました。さてガスリー博士の偉大な貢献から50年近くが立ちましたが、最近10年ほどの間に米国及び欧州の先進国で普及している新しいスクリーニング方法があります。それはタンデムマス法あるいはMS/MS法と呼ばれています。簡単に説明しますとこの方法は多くの血液中の化学物質をいっせいに測定することに適した方法です。一回の検査で20以上の病気の診断が可能になりました。我が国でも厚生労働省が研究費を支給して研究が進められています。ただ我が国で普及は米国などと比較すると少し遅れています。
我が国で普及が遅れているはいくつかあると考えらます。一つはこの検査を無料で行うか(つまり行政の補助の下で)、あるいは個人負担で行うかというところに可決しないといけない課題があるようです。この方法を導入するための費用は一人当たり2,000円から3,000円の負担増になるという試算もあります。この予算をどうするかは日本人が決める必要があります。自己負担で受けることが可能になることが先決なのか、行政の補助が可能になって開始するのがよいのか、その問題を早く解決することが重要とおもいます。昨今の事情からは行政の補助は期待できないと考えられます。そこで一部の地域では自己負担での導入を考えています。この新しい検査ついてはまた機会がありましたらご紹介したいと思います。
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