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第27回 母子健康協会シンポジウム 子どもが育つ保育
3.絵本の読み聞かせ 〜心の処方箋〜
吉村小児科院長・日本小児科医会常任理事 内海 裕美



大人も勉強になる絵本

 これは『くまのこうちょうせんせい』(金の星社)という絵本ですが、くまの校長先生が「皆さん、元気に挨拶しましょうね」と言いますね。ところが、大きな声が出せない子ヤギがいるんですね。(小さな声で)おはようございますとしか言えないんですけど、このくまの校長先生は「ハイッ、元気に声出しましょうね!」と、毎日毎日、ずっと子ヤギに言っていたんです。
 ところが、くまの校長先生は病気になって声が出せなくなりました。ベッドサイドで看護婦さんが、声の出せない、小さな声でしかしゃべれないくまの校長先生に耳を寄せて、一生懸命聞いてくれようとする。そこで初めて校長先生は、声の出せない人もいるんだということに気がついて、出せない人には、こちらから聞いてあげようという気持ちが必要なんだということがわかったんですね。最終的には子ヤギ君はちゃんと声を出せるようになるのですが、相手の思いを知るとか、相手の立場を知る、当事者の気持ちを知るという意味でも、大人がものすごく勉強させられる絵本です。他にもこのような絵本がたくさんあります。



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