3.臨床医からみた乳幼児が育つ基本とスマホへの対応(5)
これは皆さんご存じかと思いますが、アメリカのお母さんが子どもにiPhoneを与えたときの「18の約束」ということで、世界的に有名になりました。これを一々説明しているとちょっと大変なので、要旨だけ言います。
「あなたは立派な、そして責任が持てる13歳の男の子です。だからこの贈り物がもらえるのです。次に示していることが守れなかったら、あなたのiPhone所有権はなくなります。私の希望は、あなたがこれらの項目について同意できることです。ここに示した教訓はこのiPhoneだけに当てはまるものではなく、人生にも当てはまるのです」。
これはKindle 版で「母から子へのiPhone、18の約束」というのがありますし、我が国の出版物でも、『インターネットのお約束』というのが出ています。
ここに挙げておきました「18の約束」というのは、後でゆっくり読んでいただいたら、我が国の子どもにもみんな当てはまると思います。「アダルトサイトやポルノは禁止」とか、「他人にあなたの大事なところの写真(要するに裸の写真です)を送ったり、貰ったりしてはだめ」、こういうことが18項目書いてあります。
一番最初に、「iPhone のパスワードをお母さんに報告しなさい」と書いてあります。これは一番大事なことです。
まとめですけれども、スマホは本物そっくりの人間になるために、乳幼児にとって愛着障害の原因になりやすい。
乳幼児の生活環境を、「生身の人間(live pearson)と触れ合うこと」と「実物(real presentation)を提供すること」に徹するべきです。
スマホに子守りをさせてはいけない。これは社会生活にとって最も大事です。会話によって人と交流する(face to face communication)力がうまく育たない。
日本小児医療保健協議会、日本小児科医会、米国小児科学会などは、乳幼児に制限なしでは、テレビ、ビデオ、パソコン、スマホ、タブレットなどに触れさせないことを勧告しております。
子どもにスマホを持たせるときは、しっかりした約束を取り交わしましょう。
スマホは、母親の愛情に代わり得る要素を持っています。したがって、小さな年齢ではよほど気をつけて触れさせなければいけない。
これを、私の締めくくりの言葉とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
前川どうもありがとうございました。
違った面から、バーチャルの問題とか、スマホの問題を新しく解説していただきました。