前川皆さん、こんにちは。たくさんお集まりいただきまして、企画した者としては非常に感激しております。
数年前までは、食物アレルギーの対応について、保育の現場は非常に混乱しておりました。今から3年前、食物アレルギーの考え方と対応の大きな流れが見えてきました。そのときに開催したのが、「食物アレルギーの考え方と対応」のシンポジウムです。この流れは、ガイドライン作成を機会にさらに加速されると考えられます。3年前は、ガイドラインができたらもう一回やりましょうということで、企画したわけです。もう少し格好いいことを言いますと、現在、食物アレルギーで悩んでいる全国150万人の人々に、早くこの情報を届けたい気持ちで今回のシンポジウムを企画いたしました。
母子健康協会のご厚意により、前回のシンポジウムが掲載されている『ふたば74号』が同封されております。これには3年前までの食物アレルギーの基本が纏められておりますので、これをお読みになると、今回のシンポジウムの理解が深まりますのでご利用ください。
この3年間にいろいろ進歩していることもございますので、それをもとにしてやりたいと思います。シンポジストは前回と同じ、海老澤先生と伊藤先生ですが、この二人が現在の食物アレルギーの中心となっている方と考えられますので、再び講演をお願いした次第でございます。各先生方に20分間の講演をいただき、これをもとに後半、90分の総合討論を行いたいと思います。短い時間ではありますが、保育の現場で働いている皆様のお役に立てば幸いと願っております。それでは、議題に従いまして講演を始めたいと思います。最初は、「食物アレルギーへの対応の最近の進歩」、あいち小児保健医療総合センター内科部長の伊藤浩明先生、よろしくお願いします。