第33回母子健康協会シンポジウム 「食物アレルギーのお子さん達が健やかに育つように…ガイドライン作成を機会に」
2.「保育所における食物アレルギーの対応」
国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部 部長 海老澤元宏先生
最後に、緊急時の対応ですけれども、表3の「自宅や園・学校でアレルギー症状が出たときの対処法」です。軽症、中等症、重症——これは日本小児アレルギー学会でつくったもので、なるべく皆さんにわかりやすいようにということを考えてつくりました。最初に自分が書いた表1を、もう少し言葉をやわらかくしたつもりでしたが、これでもまだ十分ではないかもしれません。皮膚、消化器、呼吸器、循環器の症状と、治療の段階ということで、「医療機関を受診する段階」とか、「緊急に医療機関を受診すべき段階」と書いてあります。その下に、「症状が進行するようなら重症の対応を行う」とか、重症は「救急車等で医療機関に搬送」と。そこも、エピペンを使用した上で、可能なら抗ヒスタミン剤、ステロイド薬、あるいは気管支拡張薬を使用と。具体的にどういうふうにやったらいいかということを書いてあります。
この間の事件を受けて、アナフィラキシーに対して、一般の方々にわかりやすいものをもっときちんと作っていかなければいけないと考えて、この表を見て「わかってください」と言うのもなかなかわかりにくいかなというふうに思ったので、フローチャートを使い、絵を使ったような、もう少しわかりやすいものを、また学会のほうで作っていきたいなと思っています。
誤食というのは起きないのが一番です。対策としては、誤食が起きないシステムづくりが第一です。万が一起きたとき、きちんとそれに対処できる体制づくり、それもとても重要です。管理指導表と取り組みガイドラインというのをぜひ一度見ていただいて、「もう十分取り組んでいます」と言っていただけるのでしたら、うれしいですけれども、もし取り組みガイドラインを見たことがないということであれば、厚生労働省保育課のホームページからダウンロードできるようになっています。ぜひ一度見て、ここのガイドラインに織り込まれている内容を勉強していただいて、日常業務に生かしていただくとともに、皆さんの地域での取り組みというのはすごく重要だと思います。
また後で、前川先生と伊藤先生と総合討議があると思うので、より詳しくはそのときにお話ししたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
前川 どうもありがとうございました。特にわからなかったことは、いいですか。時間が押し迫っていますので、次に、私がちょっとしゃべらせていただきます。