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第33回母子健康協会シンポジウム 「食物アレルギーのお子さん達が健やかに育つように…ガイドライン作成を機会に」
1.「食物アレルギーへの対応の最近の進歩」

あいち小児保健医療総合センター 内科部長 伊藤浩明先生

伊藤皆様、初めまして。ただいま紹介をいただきました、あいち小児保健医療総合センターアレルギー科をやっています伊藤と申します。

前川先生の言われたとおり、3年前にこのシンポジウムで話をさせていただきました。この3年間、いろいろな意味で、食物アレルギーの診療そのもの、あるいは社会的な対応が変わってきた、進歩してきたところがあると思っています。今日はその成果を踏まえたお話をします。本質的な方向性については恐らく変わっていないと思っていますが、いろいろな臨床経験が蓄積されてきて、今後進んでいく方向がより明確になってきたというふうに思っていますので、そのポイントのところをお話しさせていただければと思います。

話の内容は、まず私が、一人ひとりの患者さんに対する指導とか考え方、治療が、どのように変わってきたかいうことについてお話をしたいと思っています。それに続いて海老澤先生が、社会的な対応(皆さんの立場はむしろそうかもしれません)としてどんな進歩があったかということで、お話が進む予定になっております。

お配りしてありますレジュメの内容に沿って話をしていきたいと思いますので、これをごらんになってお聞きいただければと思います。

冒頭に「最近10年ほどの間に」と書きました。私が勤めているのは愛知県の小児病院ですが、私は開設当初からそこでアレルギー科をスタートしています。開設してからちょうど11年を超えています。この間にたくさんの患者さんたちを診療してくる中で、いろいろわかってきたこと、新しい方針、研究データ、そういうことも含めて確かにアレルギーの診療は進歩してきたなと思っています。

ただし、基本的な姿勢といいますか、専門医としての基本的な考え方や方向性が大きく変わったわけではなくて、そのことがより明確になってきたと思っています。それから、社会全体がそういう方向性について、一致点をたくさん見い出してきたというのが、この10年間の進歩ではないかと思います。第一に、食物アレルギーになってしまうのがなぜか、どういうことかということについて、基本ですけれども、まずそれをお話しします。

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