はじめに
1981年4月から聖路加国際病院で小児科医として働き始め、西村昻三先生、細谷亮太先生の薫陶を受ける機会に恵まれ、その後も継続して小児がんの治療に従事させていただきました。この約40年間で小児がん治療の考え方は大きく変わり、患児・家族の闘病事情も変化しました。国民皆保険制度に加え、小児慢性特定疾患医療費助成制度によって治療費の個人負担は気にせずに闘病できる環境は世界に類を見ず、保護者および患児の希望にそった方針を決定できます。主に保護者と医療者との相談で決定される最も科学的な治療に対し、患児は一生懸命取り組んでくれると学生教育で述べてきました。今回、「ふたば」に投稿する機会をいただきましたので、私的視点からではありますが、40年間を振り返ってみたいと思います。