ウィズコロナと保育所での子どもの生活(7)

次に、体調不良児への対応です。保育中に体調が不良となったお子さんがいた場合、現段階で新型コロナウイルス感染症が疑われる症状を特定することは困難と言えます。発熱、咳、呼吸が速くなるなどの症状に加え、下痢や嘔吐などの症状も認められています。そのため、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合に限らず、体調不良が認められた場合には、他児への感染を防ぐため、お子さんを医務室などの隔離した部屋・スペースで保育する。保護者には症状を伝え、速やかなお迎えをお願いすることが必要になります。

体調不良児の保育・看護をする際の注意点として、職員自身が感染防御を図るため、専用のエプロンとマスク、目の保護具を着用しましょう。子どもは可能な限りマスクを着用していただきましょう。室内の換気は常時もしくは15分に1回行うようにしてください。鼻水や唾液を扱う際には使い捨て手袋を着用しましょう。

(5)体調不良児への対応

隔離スペースについてですが、望ましい隔離スペースは専用の手洗いがあり、換気ができる場所です。しかし、各施設により事情が異なります。カーテンやパーテーションなどの仕切りを準備しておいたり、手洗い場がない場合にはアルコールによる手指消毒剤を準備しておくなど、体調不良児を隔離できるスペースを検討しておきましょう。また、体調不良のお子さんが複数発生した場合には、子どもと子どもの間を十分に空けるか、パーテーションなどで仕切り、保護者のお迎えまで過ごすことができるようにしましょう。保育に当たっては、子どもと接触するごとに手指衛生を行ってください。

お子さんが帰宅した後の使用した部屋、物品の消毒・清掃についてです。室内の換気を行う。使用したマスクや使い捨てエプロンを外し、ビニール袋に入れ廃棄。新しいマスクと使い捨ての手袋を着用し、消毒清掃を行います。子どもが触れた部位や物、使用した体温計や聴診器などは消毒をしてください。全ての消毒清掃が終了後には、必ず石けんと流水で30秒以上の手洗いを行います。

体調不良児のその後の登園についてです。かかりつけ医の指示に従い登園していただきましょう。発熱の場合には、原則熱が下がってから24時間は登園を控えていただくように保護者に依頼しましょう。PCR検査実施時には、連絡をもらって結果が出るまではお休みして様子を見てもらってください。

(5)体調不良児への対応

次に、園児や職員の発症時の対応です。事前準備として、確認事項は、保護者への事前周知。園児や同居家族が検査を受けることが分かった段階で施設に連絡を入れてもらう。これは、行政とどの段階で連絡を入れていただくか確認をしてください。園児や職員が陽性となった場合は休園となることについて。行政に確認して、そういった場合があるということをあらかじめ保護者の方に伝えることも必要かと思います。園内で発症した場合、お子さんが濃厚接触者となった場合は14日間の自宅待機になることがあることも保護者に事前に伝えておくことが大切かと思います。

また、事前準備として、発生時の報告ルートを管轄の保育課及び保健所に確認をしておくことが必要になるかと思います。PCR検査を受けた段階で連絡するのか、PCR検査を受け陽性が分かった段階で連絡するのかなどが確認事項です。対応の手順として、いつ、どの段階で、どこに報告して公表するかを含めて確認が必要です。管轄の行政や保健所に確認した上で、職員に周知し必要なことは保護者に伝えておくことも必要になります。積極的疫学調査実施を行う際に必要となる書類などを確認して、事前準備することも大切だと思います。

(6)園児・職員の発症時の対応