ウィズコロナと保育所での子どもの生活(3)
第2章 保育所における感染拡大予防対策
保育所での基本的な留意事項として、手指衛生についてです。手指衛生には、流水と石けんによる30秒以上の手洗い、もしくは15秒以上の70%以上アルコール消毒液を用いた手指消毒を行うことが必要です。職員全員が衛生的な手洗いを行えるように、各施設で確認をしていただければと思います。手洗いの仕方については、厚生労働省から出されている、正しい手の洗い方などのリーフレットがありますので、手洗いする場所に掲示して、職員に見えるようにしていただければと思います。アルコールによる手指消毒は、流水による手洗いよりも効果が高いことも示されていますが、目に見える汚れがある場合には、必ず石けんと流水による手洗いが必要です。
アルコールの手指消毒についても正しい方法で行っていただければと思います。
次に、手指衛生の必要な場面です。職員は、出勤時、施設に入ってすぐ、保育室に入る前、飲物や食事を準備する前と後、食事介助の前と後、おむつ交換や排泄介助後、鼻水やよだれ、血液など体液に触れた後、戸外活動の後、休憩時間に入る前・入った後、の場面を挙げています。
子どもの手指衛生が必要な場面としては、登園時、施設に入ってすぐ、保護者とともに行っていただくこと、飲物や食事などの前と後、トイレを使用した後、おむつ台などに触れた後、鼻汁やよだれが手に付着しているとき、戸外活動や動物・植物・昆虫に触れた後、を挙げています。保育所では、コロナウイルス対策が始まってから、私も保育所現場に行って子どもたちの様子を見ると、以前に比べてとても手洗いが上手になっていると思います。
次に、咳エチケット、マスクの着用についてです。咳エチケット、3つの方法です。マスクを着用すること。マスクは花から顎まで覆い、隙間がないように着用します。ティッシュやハンカチなどで口や鼻を覆う、使ったティッシュはすぐにごみ箱もしくはビニール袋などに入れ処理することが必要です。とっさの場合は肘の内側や袖で覆うことも方法の一つとされています。
マスクの着用については、新型コロナウイルスは先ほど申し上げたとおり、無症状や軽症であり、診断されないケースも多くあります。さらに、発症する以前から周囲への感染性があることから、ウイルスを拡散しないためにはマスクの着用が推奨されています。職員はマスクの着用方法と外し方が適切に行えるか、いま一度確認が必要になります。
ゴムひもを耳にかけて針金をきちんと鼻の形に合わせて、顎の下まで覆うことです。外すときには、マスクの面には触れずに、ゴムひもを取ってゴムひもを持ったまま捨てるようにしてください。昼食などでマスクを外し、再度利用する場合には、マスクは清潔な袋に入れ、袋の中で表面と裏面が混合しないように注意が必要になります。その際に封筒などを用いて、マスクの面が動かないようにすることも工夫の一つです。
子どものマスク着用についてです。2歳未満または自分でマスクを外すことができない子どもは、窒息の危険があり使用しない。マスクに頻回に触れたり、マスクの周囲に手が行くことで感染の危険が増すことから、マスクを嫌がるお子さんや、何度も外すなどの行動があるときにはマスクを着用させないことが大事になります。午睡中は必ず外す。マスクの衛生的な使用のために、昼食前後や午睡後などで交換、汚染したときに交換できるように、多めのマスクの持参を保護者に依頼してください。子どもに、なぜマスクが必要であるか、マスクをどのように着けることでウイルスを広げない、もらわないかについて、発達段階に応じて説明が必要になります。