ウィズコロナと保育所での子どもの生活(5)

次に、子どもの健康観察についてです。登園時には、送迎してきた保護者から自宅での体調を聞く。体温の測定は自宅もしくは登園時に測定をする。また、家庭内での発熱者や呼吸器症状のある人などの有無を聞くことが大切になります。子どもの日々の体温や咳や鼻水などの症状の有無を、保育所と家庭で共有することが大切です。

(3)サーベイランス

サーベイランスについてです。施設内や地域の症状の動向を把握し、感染症の流行を早期探知し、蔓延の予防に役立てることができます。発熱や咳、鼻水、下痢、嘔吐、発疹などの症状の子どもがいつもより増えてきた段階で早期探知して、対策を講ずることが必要になります。

「早期探知」と「早期対応」

これは、早期探知と早期対応の例ですが、この段階で専門家、嘱託医や保健所に連携して早期に対応を取ることによって、発生を防ぐことができると言われています。また、子どもたちの健康状態は、こういった健康観察、病欠状況記入例を参考に、日々の状況を記入しておくことも大切になります。

次に、人と人との距離を保つ対策です。施設の出入りについて。保護者の送迎について。送迎者の滞在時間をなるべく短く、職員やほかの子どもとの接触の機会を減らせるように工夫をする。送迎者には施設内でのマスクの着用をお願いする。保護者が施設内に入る際、手指衛生をお願いする。滞在時間を短くするための工夫の一例として、クラスには入らず、持参していただいたものの準備は職員が行うなどによって、時間を短くできるのではないかと思います。

(1)施設の出入り

業者やそのほかの関係者の出入りについては、最小限にします。できる限り、電話やオンラインでの対応をしていきましょう。施設内に職員以外が立ち入る場合には、検温を行ってもらいます。その上で、誰がいつどこに入ったかということが分かるように、また、職員の誰と接触したかということが分かるように記録に残しておきましょう。

保育について。日中はできる限り同じクラスで過ごすことが望ましいと思います。特に食事や午睡といった、飛沫が飛びやすい場面での合同保育は避ける工夫が必要です。早朝・延長保育を含めて、合同保育の人数や時間はなるべく少なくし、特に乳児クラスと幼児クラスの合同保育はできる限り避けることが望ましいです。ここでの合同保育は一日の中で遊びや生活を主に行うクラスを超えた活動を行うことです。特別保育などで人数が少なく、異年齢で一日中保育することは含めていません。

(2)保育について

人と人との身体的距離を取ることは保育施設では難しいため、密閉を避けるために定期的な換気、最低30分に1回数分間、2方向の窓やドアを開けることが必要です。密閉・密集空間での音楽、歌やピアニカなどと、体育活動は避けることも流行期には必要になってきます。

(3)職員同士の距離を保つ

次に、職員同士の距離を保つことです。職員同士でも感染拡大防止のため、距離を取ることが必要です。特にマスクを外す食事などの場面では、可能な限り2メートル以上の距離を空け、小まめに換気を行うことが大切です。会話をする際には必ずマスクを着用し、できるだけ2メートル、最低1メートルの距離は空けましょう。大勢の職員で会食することは避けてください。更衣室や休憩室などでも距離を空け、会話をする際にはマスク着用をしていただければと思います。

次に、保育所での各生活・活動での留意点です。食事は飛沫が飛びやすい場面のため工夫が必要となります。食事は唾液など分泌物が飛びやすい場面です。子ども同士の感染や職員が感染することを防止する策を講じる必要があります。

食事中の子どもたちの会話を控えることが望ましい。本来なら、保育所という環境の中で楽しくお話をしながら食事をする場面ですが、今、新型コロナウイルス感染症が拡大している中では、子どもたちにもなぜ今食事のときは会話を控えるのかということを伝えていただき、子どもたちにも協力していただけたらと思います。子ども同士は対面にせず、間隔1メートル以上空けることが望ましいです。対面の場合は互い違いに配席する。子どもの食事を介助する職員は、マスクと清潔なエプロンを着用し、子どもの唾液が飛びやすい正面での介助はできるだけ控え、横から介助する。食事介助中は、子どもの唾液が手などに付着しやすくなります。食事介助中は、職員は普段以上に御自身の手で目や鼻、口に触れないように気をつけることが必要です。子どもは食後、職員は食事介助とその片づけ後、必ず流水・石けんで手洗いをしましょう。職員と子どもは別に昼食を取る、もしくは1メートル以上空けて食べることが望ましいと思います。

(1)食事