1.安らぎの物質オキシトシン(2)
オキシトシンは、1906年、英国のヘンリー・デールが、下垂体の中に、出産の経過を加速する物質を発見しました。出産が早い、促進という意味で、ギリシャ語にちなんで「オキシトシン」と名付けたわけでございます。
最初の発見の経過から、オキシトシンは、雌、女性に関係したホルモンと考えられがちですが、オキシトシンは単なる雌、女性のホルモンだけではありません。オキシトシンの動物実験やその他で、オスもメスも、男も女も、リズミカルにタッチされますと、同程度のオキシトシンを分泌することがわかっておりますので、男性にも安らぎのシステムがあり、十分に機能しているわけでございます。
哺乳類のオキシトシンは全て構造が同じです。猿の毛づくろい、つがいの形成、親子の絆、触れ合いの効果、授乳しているときの反応等にオキシトシンが役立っております。
これはサルの毛づくろいです。次の写真は保育園や老人施設で実習をしているときの学生の姿です。心がこもったふれあいでお互いが癒されております。これらは総てオキシトシンの作用です。