4.総合討論(2)

前川手技なんてどうでもいいんです。ふれあっておれば。

吉永そう思います。

前川一番大切なのは何かというと、その相手に愛情を持つというか、好意というか、関心を持たなければだめです。それから、心を込めてやるのです。その一言です。だから、嫌々やってはだめなのです。受ける子どもも、いい加減にやる人と、好意を持ってやる人がわかるのです。だから、少なくともその子に愛情を持つというのが要点です。

吉永タッチケア指導者講習会で手技を教えている3人が今日の段上に並んでいて、手技はどうでもいいとここで言うのも変な話ですが(笑)。

それから、「ベビーマッサージとタッチケアはどう違うのか」という質問がありました。

おそらく違いといえば、理念も技術的なこともそんなに変わらないだろうと思います。今日、お話しましたようにタッチケアは、一つは、オカルトめいたことを言いたくないということです。科学的にわかっていること、それから、私たちが本当に経験したことだけをお話いたします。不治の病が治るわけではありません。そのことをはっきりさせておきたいという思いがあります。

もう一つは、できればお母さんたちには無料で届けたいということです。そこがタッチケアの根幹にあります。

タッチケアとほかのものとの違いは、その2点が大きいと思います。

さっき、手技はどうでもいいんだとおっしゃいましたが、私もそう思います。ただ、初めてのお母さんは何から初めていいかわからない。初めての保育士さんは子どもに何から始めていいかわからないというので、講習会でガイドラインを作り、少しのコツをご伝授いたします。実際は、自分のオリジナルの手技が生まれていいのだと思います。そうやって人間は子どもを育んできたでしょうし、ほかの動物は子どもを上手になめているのだろうと思います。だから手技は、お教えしていることと、どうでもいいこととのバランスを頭の中で上手に整合してくださいね。