3.タッチケアのきっかけと日本における広まり(1)

橋本みなさんこんにちは。私の話は吉永先生と重複するかもわかりませんが、「タッチケアへのきっかけ」、何で起こってきたのか、それが今、どのように広まっているかということと、タッチケア協会の紹介をしたいと思います。

その前に、ショッキングなニュースから。「10万件」、何だと思います? 1年間の虐待の児相への相談件数です。国がいくらいろいろ対策をしても減りはしません。どんどん増えています。それは短絡的な対策しかやっていないからです。根本が忘れられています。もっとショックなのは、子どもへの虐待の6割が実の母親によるものです。これを考えていかないと虐待の対策にはなりません。

しかし、ある意味、そうかもと思ってしまいます。それは、今、子どもが子どもを産んでいる時代だからです。今、日本で初めて子どもを産むお母さんは、自分が子どもを産む前に赤ちゃんを抱いたり、あやしたり、子守をした経験のない人が6 割なのです。突然目の前に赤ちゃんを置かれて、どう抱いていいかわからない、どうやっておっぱいをやっていいかわからない。これが現実なのです。だから、一緒にゼロから進めていかなければならないと思います。