4.総合討論(9)
橋本では、もう一つ。「日本で、昔から当たり前に行われていた『ふれあい』とありましたが、何がきっかけで行われなくなったのか」、減ってきたかという質問ですね。
これはいろいろな原因があると思います。社会的な環境から言えば、核家族みたいになってきましたね。昔は二世代一緒に家の中で、子どもをたくさん産んで、お互いにそういう環境がありましたけれども、核家族になりました。共稼ぎも増えました。一緒におれることもなくなりました。しかも少子化になり、家の中に子どもが1人で、3人いるところなんて本当に珍しいぐらいです。
もう一つは、子ども関係ではなく、テレビ、メール、そういう関係で、とにかくふれあいというものがなくなって、本当にテレビばかり見ている。さっき言いましたが、ちょっとおかしな子と紹介されて来られる子を、聞いてみますと、ほとんどがテレビ漬けという環境があります。
ショックだったのは、例えば、「本当に自分が親だと感じたのはどういうときですか」というアンケートに多かったのが、お母さんは、「授乳しているときです」「おっぱいを飲ませているときです」という答えがあったのですけれども、その裏をのぞいてみると、何とびっくりした。「何でおっぱいを飲ませているときにそういうふうな感じを受けるのですか」というと、「おっぱい飲ませているときこそ自分はゆったり暇ができるから、飲ませながら、メロドラマ、テレビをゆっくり見れます」と。それから、「片手で飲ませながら片手でメールを見ています」、こういう答えが返ってくる状況になっています。これは非常にショックでしたね。
こんなことから、いろいろなことで「ふれあい」というものが減ってきているのではないかなと思っています。