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座談会「子どもとおやつ」

前川今、栄養補給以外という話題が出ましたが、吉田先生、いかがですか。

吉田臨床心理士の吉田です。

私たち心理のほうから言いますと、食べることは、心の発達、心の健康、あるいは親子・家族の関係を反映したり、それらを育てるものというふうに見ております。心の発達によって食べ方が変化していったり、一緒に食べるとか、仲間と食べるというふうに動いていくわけですが、おやつも、いわゆる食事と同じようにとても重要な意味があるわけです。楽しいというだけではなく、友達と一緒に食べたり、自分の好きなものを選んでみたり、あるいは残しておいてみたりという、食事と違う面で大切な役割を持っているわけです。

ただ、心の健康という面から言いますと、心が不安定になるほどおやつの食べ方が乱れてきて、それがまた主食にも影響するということもあるわけですので、食べること、食事、おやつという全体から見ながら、食べることの楽しさと意義などを考えていく必要があるのではないかと思っております。

前川栄養的意味ということも出ていますので、太田先生、管理栄養士の立場からいかがですか。

太田管理栄養士の太田です。

巷野先生もおっしゃられたように、飽食の前は、栄養不足ということで食事以外にもおやつというのが栄養補給のために必要で、「改定 離乳の基本」の時代は、「おやつは1〜2回与えましょう」という表現をしていたんですね。それが平成19年の「授乳・離乳の支援ガイド」に変わってから、「間食は1日1、2回食事に影響しない量に配慮する」というように、お子さんに合わせて間食を用意してあげましょう、という形に変わっています。

飽食の時代ということで肥満のお子さんたちも増えてきています。そういったことからも、お子さんに合わせながら、食事の補食として考えていくことが大切なような気がします。

もう一つ、重要視されているのが「食育」です。というのは、今、子どもたちに食べる意欲がないことが言われていまして、何をきっかけに食べる意欲を育てていくのかということですが、その手始めにはおやつを楽しむこと。一緒に作ったり、一緒に栽培したものをおやつに出して食べるなどの取り組みが重要視されています。そのような点からは、おやつがいらないのではなく楽しみの一つとして必要だと思います。

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