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座談会「子どもとおやつ」

太田最初に私はおやつが「食育」の場でもあると言いました。食事で食育をしようと思うと親御さんにとってはすごく大変ですね。むしろ一緒に作ることで時間がかかり過ぎて食べる時間が遅くなれば生活リズムが夜型にずれ込みます。その点、おやつの場合は、短時間でできて、おいしいにおいがしてきてワクワクする楽しい時間になります。手作りするとバターや砂糖をどれくらい使い、一人当たりどれくらいの量をとるか理解できるので、食べ過ぎも抑えることができるかもしれません。また、一緒に食べたり会話をする時間を楽しむことができます。そういう経験をおやつからしてほしいなあと。

前川少なくとも学校へ行くまでは、1日1回ないし2回のおやつ的要素の間食が子どもには必要なわけですよね。そういう楽しみとか、いろんなプラス面を子どもにいかに与えるかということが、これからの問題のような気がします。今、世の中、夫婦共稼ぎで、そういうことができにくい状態ですが、それはやはり子どもの健全育成からいくと、やらなくてはならないことだと思います。

巷野保育指針が新しくなりまして、保育所でただ保育をするだけではなく、その地域のお母さん方の食育にまで、保育士さんの仕事が……。

前川あれを見て驚いたのですが、普通の親が家庭で子どもを育てるのに理想的なことまでもが書かれていますね。

巷野そうなんです。それで、日本保育協会に食育の研究班がありまして、もう2、3年続いています。

太田いえ、6年です。

巷野実態調査をずっとやっていますと、だんだんと、保育所がその地域でお母さん方を集めて食事を一緒につくるとか、それをあちこちでやっているんです。

前川ニューウェーブという、新しいあれですね。

巷野はい。そういうような報告が増えてきています。しかも、日本的に考えると、北と南で内容が違うんですね。海産物があるところもあれば、山のものとか。それを、間食といえば間食だけれども、おやつをつくるというと格好が出ますよね。

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