前川もう少し子どもたちに遊びで体を動かして空腹を感じて欲しいですね。遊んで腹がすいて食べたときのその楽しさというか、喜びです。それから、食べながら友達同士との語り合いとか、いろんな家に行ってその家のおやつの比較とか、いろんなことをしたですね。季節によってサツマイモが出たり、梨が出たり、いろんなおやつがでるのです。そういういい意味での「食文化」としては、これから時代が変わっても日本に残さなくてはならないものだと僕は思っています。
そろそろ時間がまいりましたので、まとめさせて戴きます。今日は「子どものおやつ」ということで座談会をやらせていただきました。6歳以下の幼児は、生理的にも、エネルギー的にも、1日1回か2回のおやつ的要素の間食が必要なことは事実です。ですから、いい悪いではなく、それをいかに子どもの発達、心の発達、健康に結びつけるかというのが、これからの課題ではないかと思います。そういう意味で今日の座談会が、乱れた間食、おやつの与え方に一つの警鐘となって保育園や幼稚園で役に立てばと思っております。
簡単ではございますが、これでまとめにさせていただきます。本日は、長時間、ありがとうございました。
講師紹介
- 前川 喜平(まえかわ きへい)
- 東京慈恵会医科大学名誉教授、神奈川県立保健福祉大学名誉教授、日本小児保健協会名誉会長、日本タッチケア研究会名誉会長。
- 東京慈恵会医科大学卒業後、同大学小児科教授、神奈川県立保健福祉大学教授を経て2010年より衣笠老健施設長。
- 1996年より(財)母子健康協会主催 シンポジウム 統括を務める、同協会理事。
- 小児科と小児歯科の保健検討委員会長。
- 著書
「乳児検診の神経学的チェック法」(南山堂)など。
- 巷野 悟郎(こうの ごろう)
- (昭和19年)東京大学医学部卒業
- 東京大学医学部小児科 厚生省児童局母子衛生課技官
- 都立八王子乳児院長 市立札幌病院小児科医長
- 都立駒込病院副院長 都立府中病院長
- 東京家政大学・聖徳大学教授
- (社)日本小児保健協会会長〔現在顧問〕
- (社)全国ベビーシッター協会会長〔現在名誉会長〕
- 日本保育園保健協議会会長〔現在顧問〕
- こどもの城・小児保健クリニック院長〔現在講師〕
- 上記を歴任
- 現在
- (社)母子保健推進会議会長
- (社福)日本保育協会理事
- 著書
- 赤ちゃんが書かせてくれた—小児科医からママへの手紙(単著)2004年 赤ちゃんとママ社
- 赤ちゃんあそぼ!(共著)2006年 赤ちゃんとママ社
- 子どもの健康を考える(単著)2006年 フレーベル館
- こころがホッとするnew育児法(単著)2008年講談社
- 乳児保育(共著)2009年 聖公会出版
- 0歳児・1歳児・2歳児のための乳児保育(編著)2010年光生館
- 保育保健の基礎知識(編著)2011年 小児医事出版社
- 新・小児保健(編著)2011年 診断と治療社
- 高木 裕三(たかぎ ゆうぞう)
- 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野教授
- 新潟大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学大学院修了。
- 1997年より現職。2003年より小児科と小児歯科の保健検討委員会副委員長。
- 著書
- 「小児歯科学 第4版」(医歯薬出版社)、「乳歯列期における外傷歯の診断と治療」(クインテッセンス出版社)など。
- 吉田 弘道(よしだ ひろみち)
- 専修大学人間科学部心理学科教授
- 発達臨床心理学専攻・臨床心理士
- 著書
- 「ライフサイクルと心理臨床」(八千代出版)、
- 「心・栄養・食べ方を育む乳幼児の食行動と食支援(医歯薬出版株式会社)
- 「子育て支援基礎講座」(創元社)、「幼児の食生活その基本と実際」(日本小児医事出版社)など
- 太田 百合子(おおた ゆりこ)
- (財)児童育成教会 こどもの城小児保健部技術主任
- 聖心女子専門学校非常勤講師
- 日本歯科大学東京短期大学非常勤講師
- こどもの城「小児保健クリニック」で栄養相談を行いながら、小児肥満や幼児食などの集団指導、講習会などを企画担当。
- 著書
- 「子どもの食と栄養 第8巻」(共著・全国社会福祉協議会)
- 「子どもの保健」(共著・診断と治療社)「幼児の食生活(共著・日本小児医事出版社)など。