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財団法人母子健康協会 第31回シンポジウム 「保育園・幼稚園における感染症と対応」
1.「乳幼児の感染症の特徴」

東京慈恵医科大学名誉教授 前川喜平先生

四、感染症の対策

【1】 感染症予防の三原則  
(1)感染源対策:消毒、隔離等 (2)感染経路対策:手洗い、マスク、消毒 (3)感受性ある人への対策:免疫を持っていない人に対する対策で予防接種です。予防接種というのは、免疫を持っていない人たちに、ワクチンの形で抗原を与えて、人為的に抗体をつくる過程を言います。保育園では、感染経路の対策と、予防接種が主に重要になってくるのではないかと思います。

【2】 予防接種  不活化ワクチンと弱毒生ワクチンの2種類に分けられます(表)。不活化ワクチンは、死んだ物質です。死んだ細菌、死んだウイルス、あるいはトキソイドです。不活化ワクチンは、感染阻止レベルの抗体をつくるために2回か3回の複数回の基礎免疫が必要です。三種混合だったら3回、日本脳炎だと2回、それで抗体が上がるのですけれども、一定の期間で追加免疫(ブースター)をしないと抗体が持続しないというのが特徴です(図)。

(1)生ワクチンと不活化ワクチン(トキソイドを含む)

一方、生ワクチンというのは生きたウイルスや細菌です。形としては、凍結乾燥して溶かして使います。自然感染に似ているのである程度抗体が長く続きますが、地域に麻疹とか風疹がなくなれば、抗体が落ちて、いまのように2回接種が必要なわけです。

副反応は、不活化ワクチンの場合は物質ですから、打って、通常2日以内に副反応が出ます。生ワクチンは、体に入ってから増えますので、接種してから数日たって4週間に副反応が出ます。MRワクチンを打ってすぐ熱が出たといっても、それは麻疹のせいではないのです。ポリオを飲んですぐ下痢したからといって、下痢するほどポリオが増えるはずがないのです。生ワクチンと不活化ワクチンは、副反応の発現する日が違うということを覚えてください。

(1)生ワクチンと不活化ワクチン(トキソイドを含む)

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