【1】 感染症予防の三原則
(1)感染源対策:消毒、隔離等 (2)感染経路対策:手洗い、マスク、消毒 (3)感受性ある人への対策:免疫を持っていない人に対する対策で予防接種です。予防接種というのは、免疫を持っていない人たちに、ワクチンの形で抗原を与えて、人為的に抗体をつくる過程を言います。保育園では、感染経路の対策と、予防接種が主に重要になってくるのではないかと思います。
【2】 予防接種
不活化ワクチンと弱毒生ワクチンの2種類に分けられます(表)。不活化ワクチンは、死んだ物質です。死んだ細菌、死んだウイルス、あるいはトキソイドです。不活化ワクチンは、感染阻止レベルの抗体をつくるために2回か3回の複数回の基礎免疫が必要です。三種混合だったら3回、日本脳炎だと2回、それで抗体が上がるのですけれども、一定の期間で追加免疫(ブースター)をしないと抗体が持続しないというのが特徴です(図)。
一方、生ワクチンというのは生きたウイルスや細菌です。形としては、凍結乾燥して溶かして使います。自然感染に似ているのである程度抗体が長く続きますが、地域に麻疹とか風疹がなくなれば、抗体が落ちて、いまのように2回接種が必要なわけです。
副反応は、不活化ワクチンの場合は物質ですから、打って、通常2日以内に副反応が出ます。生ワクチンは、体に入ってから増えますので、接種してから数日たって4週間に副反応が出ます。MRワクチンを打ってすぐ熱が出たといっても、それは麻疹のせいではないのです。ポリオを飲んですぐ下痢したからといって、下痢するほどポリオが増えるはずがないのです。生ワクチンと不活化ワクチンは、副反応の発現する日が違うということを覚えてください。