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座談会「子どもとおやつ」

甘いものとむし歯と対応、おやつの種類、与え方

前川高木先生、甘いものというと虫歯が関係しますけれども、甘いものと虫歯の関係、それから歯の生え方と虫歯の関係とか、対応について、小児歯科の立場からご発言いただけますか。

高木虫歯の一番の原因は、口腔内に虫歯菌と言われている常在菌がいて、それが糖質から乳酸をつくるので、歯が溶けて虫歯になると言われています。そういう構図は皆さんよくご存じだと思いますが、口の中では唾液が歯の表面を覆っていて、酸を中和する働きがあります。一度酸性になっても唾液が中性に戻します。それだけではなく、リン酸とかカルシウムを脱灰されたところに補給して再石灰化が起きます。一度脱灰が起きても、一定の時間、唾液にさらされていると、もとに戻る事がわかっているわけです。

ですから、糖質を食べても、しばらく追加をしなければ、歯が脱灰しても元に戻る機能があるので、基本的に糖質を摂取してはいけないというのではなくて、摂取の仕方が問題なのです。再石灰化をする時間的な余裕を十分与えてあげれば、口の中の状況はほとんど変化しない結果になるわけで、糖質を食べることが決して悪いとは言えません。先ほど申し上げましたが、おやつの回数が問題だというのは、修復する時間を十分与えてあげられないので、結果的に虫歯が多くなると考えられるからです。これは簡単に言えば、砂糖の量が問題ではなくて、与え方が問題だというふうに解釈されるので、そこの点さえしっかり頭に入れていれば、スイーツと仲良くつき合っていけるというふうに歯科でも言われています。

前川今、高木先生は甘いものの与え方云々ということでしたが、太田先生、栄養士の立場で、年齢と一緒にどんなものがおやつとしては好ましいですか。具体的に挙げてください。

太田やはりむし歯の予防は大切なので、むし歯になりにくいものを与えたほうがいいと思います。例えばサツマイモ、おせんべいやリンゴ、ミカン、バナナのような果物類と水分補給としてお茶、麦茶、牛乳などと組み合わせるといいと思います。好ましくないのは、チョコレートとジュースというような糖分だけの組み合わせです。むし歯になりやすいだけでなく、味覚を育てる意味からも、甘いものだけではなくて、いろんな「味」を経験したほうがいいのではないかと思います。

前川年齢との関係はどうですか。2歳、3歳、4歳、5歳で、何か適当な食品があったら挙げてください。

太田3歳までは、食事に代わるようなパンやおにぎり、いも類、果物が中心で、3歳以降になれば、プリン、ゼリーなど低エネルギーのものが理想的です

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