吉田理想は、3歳過ぎですと、午後3時ぐらいのものだと思います。
前川ですから、あまり夜遅くダラダラと子どもに食べさせるというのは、朝食が食べられないし、好ましい食行動ではないですよね。
太田そうですね。夜食も好ましい食行動ではありませんが、最近ちょっと気になるのが、朝食がお菓子なんですよ。
前川えっ?
太田クリームパンとジュースとか、そういう組み合わせを朝食としていることがあります。夜遅くまで起きていると、夜食を1〜2回、ないし3回ぐらいとるお子さんもいるわけで、そうすると、朝食は食欲がないから、食べやすいものを出しがちです。やはりリズムがおかしくなっている。それは、おやつを制限していないから夕食が食べられない、そうすると寝るまでにお腹が空くので夜食を食べてしまう、そのような悪循環が起きているのではないかなと思いますね。
巷野朝、そういうものを食べる、パン的なものでしょう?
太田はい。
巷野洋風になった、というふうによく解釈できない?
太田それもありますね。
巷野日本だと、ご飯に味噌汁というのがあれだけれども……。
太田ただ、食べ物があふれているので、例えば、お父さんがケーキを買ってきて、夜に食べるとむし歯や肥満になっちゃうし捨てるのはもったいないので、朝食に食べましょうと。血糖値が上がるから頭よくなりますよね(笑)と、お母さんたちから聞いたことです。
前川そういうのは避けてほしいですよね。
太田ええ。
前川さっき吉田先生が、食の文化とか、伝承的とか、味とかいうことをおっしゃいましたけれども、子どもにおやつを与えるときに、子どもが自宅で一人で遊んでいるときに与えるおやつと、友達がうちに来る、あるいは友達同士で、昔、何とかちゃんちへ行くとおやつをくれましたよね。それをちょっと分けて考えてみたいのですけれども、どうですか。家庭で一人でいるときにおやつを与えるには、どういう注意が必要ですか。太田先生、何かありますか。
太田子どもが小さいうちは、自分で小分けにして適量を食べるなんていうことは無理です。働く母親も増えているので、一人でおやつを食べる状況もあります。「ポテトチップスは1/3袋にしておきなさい。残すのよ」と言われても、子ども一人ならそれを全部食べてしまいます。それでもう約500kcal。それにジュースを組み合わせると、合わせて約700kcalになってしまいます。やはり子どもが小さいうちは、適量を用意してあげたり、組み合わせのしかたを教える必要があると思います。
前川今、家庭にお母さんがいて、子どもがいて、「はい、3時のおやつ」というのは不可能ですか。
太田少なくなってきていると思います。お友達のうちに遊びに行くときにも、お菓子をそれぞれが持ち寄ります。そうしますとパーティー状態で、ものすごい量のおやつを摂ることになってしまいます。
前川難しいですね。まさに食文化の崩壊というか、必要なんだけれども、それをどういうふうにして与えるかということが、適量がなくて乱れているという感じを受けますけれども、非常に問題でね。