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《子どもとのふれあいを大切に》—スマホに子守をさせないで—

日本大学医学部小児科客員教授 岡田 知雄先生

メディアの有害性とその証明(1) -"メディア漬け"は子どもに何をもたらすか-

乳幼児期からの長時間にわたるメディア接触は、子どものからだと心の発達にどんな影響をあたえているのだろうか。まず、2003年に清川輝基が著した「人間になれない子どもたち(1)」、によれば、表1にまとめたメディア漬けの弊害が、指摘されている。しかしこの時点では、わが国では、これらの現象を科学的に裏づけるエビデンスはよく知られておらず、またそのメカニズムについては、よくわからないままであった。そのため、メディアの有害性は、単に個人の問題で、有識者の間でも健康障害が直接的にもたらされるという認識に消極的ですらあったのである。

表1

参考文献

  1. (1)清川輝基 著 現代子育ての落とし穴、人間になれない子どもたち。枻出版社、2003年4月30日
  2. (2)日本小児科学会子どもの生活改善委員会:乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です。日本小児科学会雑誌、108:709-712, 2004.
  3. (3)日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会:「子どもとメディア」の問題に対する提言。日本小児科医会会報、27:7-10,2004
  4. (4)村田光範。子どもとICT〜健やか成長のためにはどうあるべきか〜。小児保健研究 2014
  5. (5)American Academy of Pediatrics. Policy statement.
    Media use by children younger than 2years. Pediatrics 2014, 128:1040-1045.
  6. (6)岡田尊司著「インターネット・ゲーム依存症、ネトゲからスマホまで」文春新書、文藝春秋社、2014年12月20日
  7. (7)日本小児科医会。スマホに子守りをさせないで! http://jpa.umin.jp/
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