設立80周年記念 第35回母子健康協会シンポジウム(東京会場)
「保育における言葉とコミュニケーション」子ども達と保護者と共に育ちあいつながりあう保育
コミュニケーションの基本-聴き方と話し方
東京慈恵会医科大名誉教授 前川 喜平先生
5.生身のふれあいの重要性
世の中に、相手の気持ちや場の雰囲気がわからない、自分本位の人間が増えています。この最大の原因は、生身の触れ合いが十分に行われていないからです。人類は発生以来、直接会って仕事をしてきたのです。ところが、現代社会はインターネット、メール、ケータイ、スマホなどで、直接会わなくても仕事ができるようになってしまいました。このひずみによって、今、いろいろな問題が起こっているのです。ですから、少なくとも保育園や幼稚園においては、ぜひ保護者や子どもたち、同僚と生身の触れ合いをして、育ち合い、つながり合う保育の実践を行っていただきたいと思っております。
私の話はこれでおしまいです。
今の話で、内容的にわからないことがあったら質問をしてください。そうでなければ、質問は後で紙に書いていただいて、後ほどやらせていただきます。では、次へ移らせていただきます。次は、エイビイシイ保育園の片野園長のお話をお伺いします。
片野園長は、新宿の繁華街の近くの大久保で、24時間保育や24時間学童保育をなされている先生です。私がシンポジストとして先生を選んだ理由は、本日のシンポジウムにあるようなことを実際に実践しているからです。先生は、子どもたちのために、規則にこだわらず、よいと思うことに挑戦して今まで実践してきました。夜間保育もそうだし、24時間の学童保育もそうです。
人間的魅力によって、先生は多くの支持者を得ております。保護者を丸ごと受け入れ、子どもたちには保育者以上の愛情を持って接し、子どもを育てることによって保護者を育てているのです。また、職員の教育も行っております。今述べたことは、普通の保育園や幼稚園にも必要なことです。
本日は、先生の今までの経験を通して、普通の保育園や幼稚園で働いている皆様に役に立つことを、これからお話しをいただきます。
先生、よろしくお願いいたします。
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