設立80周年記念 第35回母子健康協会シンポジウム(大阪会場)
「保育に役立つ健康知識」子ども達の健やかな発育・成長のために
総合討論(3)
特定原材料7品目の表示に関してはかなり信頼性はあります。濃度表示である限界はあるものの、信頼性はあります。残りの20品目はどうかといいますと、推奨にすぎませんので、これは保証はできないと思っていただいていいかと思います。そういった約束事を知っていただくということが大事であると思います。
もう一つ、ガイドラインに関して、「保育所で初めて食べることを避ける」ということに関するご質問があります。これは、特に離乳食のときはおそらく皆さん、特に食物アレルギーということを意識されなくても、きっと保護者にお願いなさっていることだと思います。ですから、乳児期には必ずそうしていただくというのが大事です。少し大きくなってから食べる木の実やピーナツ、ソバ、そういうものは、どちらかというと保育園では基本的には余り出さないほうが望ましい、安全と思いますが、出すときには保護者に、こういうものを使います、というお知らせか何かを出されて、保護者が自主的に試されるという形が現実的であると考えております。
吉岡ありがとうございます。今の回答に関係するもので、わかりにくかったところとか、さらにご質問がある方は、ぜひ手を挙げていただきたいと思います。
例えば表示のところはいいでしょうか。検査のところも一部ありましたが、ご遠慮なく何でもどうぞ。
今はないようですので、一たん亀田先生の感染症に移って、それからまた戻ることにいたします。亀田先生、お願いいたします。
亀田私のほうにも随分と多岐にわたるご質問をいただきました。すべてにお答えすることはできないとは思いますが、できるだけお答えをしてまいりたいと思います。
まず一つは、ワクチンについてのご質問をいただきました。最近、0歳、1歳で接種せねばならないと思われるワクチンが随分増えてきたわけですけれども、これは全部受けたほうがいいのかどうか。副作用の心配もあるし、というご質問を受けております。
結論から言いますと、国としてこれは受けていただくことをお勧めしますというものが、これらのワクチンであるとご理解をいただきたいと思います。細かいことでは、各ドクターによって、それぞれのワクチンに対する思い入れであるとか、嫌悪感であるとか、そういったものがあって、お話の内容が変わってこようかとは思いますが、基本となるのは国の方針であるということはぜひご理解をいただきたいと思います。この場合、国の方針と言いながら、小児科医の多数意見であるという言い方もできるかと思います。
それに加えて、それぞれのドクターが、親御さんの不安に対して、あるいは有効と思っておられることに対して、こんな程度ですよというふうなお話をするというところでのご質問であろうかと思いますが、基本は受けるというふうにご理解をいただければよろしいかと思います。
ワクチンに関しまして、「同時接種は本当に安全なのだろうか」というお話もいただきました。確かに以前、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザ菌ワクチンの同時接種で、死亡例があったという新聞報道などもありました。このあたりで心配をなさっておられる方々もおられるかと思いますけれども、日本を除く先進国では、基本的に同時接種をどんどんやっております。それによる安全性というものも、基本的には確立をしているということです。
日本では、むしろ副作用を注意するという観点から、同時接種を極力控える向きがあったわけですけれども、しかし、その中では3種混合ワクチンというのは以前からあるわけです。あれは1回接種で済むからというので、何となく1回のワクチンのように思っておられるかもしれませんが、三つの感染に対する抗体を一遍につけてやろうというワクチンです。そういう点で言いますと、子どもにとっては確かに2回、3回というのがあるかもしれませんが、そんなに大きな問題となるというふうに思われなくてもよろしいかと思います。
もう一つ、ワクチンに関しまして、「朝、ワクチンを打って、その後、登園・登所することは大丈夫だろうか」というご質問も受けております。これは、いろいろと考えはあろうかと思いますけれども、私たちは、基本的には打って1時間は要注意であると考えています。ですから、最低1時間というのは、すぐに病院なりクリニックなり、ワクチンを打ったところに行ける体制、あるいはワクチンを打ったクリニックにいていただきたいと思っているわけですが、それを超えて元気であれば、そんなに生活制限を強くする必要はないだろうと思っております。
ただ、皆さんご心配なのは、先ほどインフルエンザのワクチンで少しお話をしましたが、当日起こってくるような副作用も全くないわけではないです。そういう点では、今日はワクチンを受けておりますというおうちの方からの報告をしっかりと受けられた上で、保育のほうに受入れをしていただけるならば、それで十分対応はできるのではないかと思っております。ワクチンに関しては、大体このようなご質問をお受けしました。
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