ご挨拶(1)

皆さん、こんにちは。今日、座長を務めさせていただきます岡でございます。

今日は、ほんとうに寒い中、皆さんお集まりいただいてどうもありがとうございます。

会場を見ても、マスクをしている方がすごく多いですね。私も来るときにマスクをしていましたけれども、毎日テレビで新型コロナウイルスのお話があって、皆さん心配されているかと思います。

最初、少しご挨拶を兼ねて、何枚かスライドを用意しました。それは、配付資料にはございませんけれども、少し見ていただけますか。

母子健康協会、今回が第40回のシンポジウムになりますけれども、そこのホームページを見ていただくと、こういう写真がございます。実は私、勝手にコピーしてしまったんですけれども、昔、母子健康協会で健康優良乳幼児表彰をされていたと伺っています。要するに、これが、ちょうど私が生まれ育ったころの時期になります。

私、今ちょうど60になるんですけれども、私が生まれたころというのは、まだ赤ちゃんの栄養がとても大事で、どちらかというと栄養不良みたいなことがとても問題だったので、こういうふうに健康な赤ちゃんがちゃんと育っているかなということで、協会に表彰などをしていただいて、赤ちゃんたちを大事に育てようとされていたわけです。これは、とても大勢の方がうわっと参加されたと伺っています。あともう一つ、もう少し大きいお子さんで言うと、健康優良児というものがありました。これは、私も覚えています。小学校などで健康優良児を選ぶというのがあったんですね。某大手の新聞社がスポンサーになっていて、文部科学省なんかも関係して、全国の小学校で身長、体重が平均以上で、学習成績、運動能力がともにすぐれていて、性格明瞭な青少年という、私はこれに該当しなかったんです。僕は運動能力が余り得意ではなくて、最初からこれの圏外だったんですけれども、体重は平均以上だったのでよかったのかもしれないですけれども、これはいいなと思いながら見ていた覚えがあります。私たちが育った昔はそういう時代でした。

母子健康協会 健康優良幼児表彰

だけど、これも時代の流れで、96年に廃止になっています。

やはりこの間、何が変わったかというと、小児の保健の状況がすごく変わってきました。これは、厚生労働省が出している乳児、赤ちゃんが1歳までに亡くなる方のグラフですけれども、私が生まれたころというのは、ちょうど赤い矢印、ごらんになってわかります。

健康優良児表彰

そのころなんですけれども、日本全国で5万人ぐらいの赤ちゃんが1歳までに亡くなっていたんですね。その中には、恐らく栄養状態が悪いとか、そういう方が大勢いらしたんだと思います。

乳児死亡率の推移

今、赤ちゃんが亡くなるという非常につらいことを経験する方はほんとうに少なくなりましたけれども、昔はやはりそういう時代でした。ですから、私もきっと、私の親が栄養をあげなくちゃと一生懸命育ててくれたんだと思います。

ですので、当時は、小児保健の活動の中で何が大事というと、やはり栄養、発育ということだったと思います。栄養、発育が大事で、あと、感染症ですね。例えば栄養状態が悪い子供が乳児下痢症になってしまうと、やはりそこで命を落としてしまう子供がいっぱいいたわけですよね。そして、予防接種をして予防しようということが一生懸命やられていた時代でした。

当時の小児健 主に身体の保健