1.新しい授乳・離乳食の考え方…「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改訂版から…(17)
あと少しなんですけれども、先ほど母乳を飲んでいる子供に人工乳を足す理由は、母乳不足から来る体重増加不良というのがかなりの率なんですけれども、実は体重増加というのは、何グラムふえたとか、そういう意味ではないというので、発育曲線を見てくださいという記載をしております。
母子手帳にあります発育曲線。これを見て、ふえていることではなくて、この線に沿って体重がふえているかどうかを見ていただいて、それが母乳として不足しているかどうかを判断する基準になるということになります。
このガイドの内容の最後なんですけれども、先ほど日本では低出生体重児、早産児がふえているという話をしたんですが、実は10人に1人が低出生体重児なんですね。ですから、特別な存在ではないので、そういう子供たちのサポートをしましょうということで、具体的な内容は書いておりませんけれども、いろいろなものに書いていますので、そういう子供たちに沿った援助をしてください。
早産児もやはり母乳がいいというのは言われていますので、母乳を勧めることは問題ない。母乳だと体重がふえないということはないので、早産児でも母乳。
早産児はいつ離乳食を開始するかというと、修正月齢というのを見てほしいんですね。もし1カ月早く早産で生まれた子供がいれば、その子は予定日からしか体重も発達も何もできないんですね。だから、離乳食も予定日から6カ月。ですから、子供としては、歩いたりするのもみんな1カ月はいつもおくれますので、ぜひ早く生まれた子供がいれば、その1カ月は常に引いてあげて、皆さんとしては判断をしていただきたいと思います。
あと、今回のガイドの改定に合わせて、今、手引きをつくっておりますし、啓発資料もつくっておりますので、このガイドで書けなかったこと。要するに、先ほど言ったように、離乳食は6カ月でもいいですよということに関しては、あそこだけでは書きあらわせないので、そういうものをまた利用していただけたらと思います。
では、最後のスライド。
少し時間をオーバーしてしまったんですけれども、とりあえず今回改定したところのポイントについてお話ししました。いろいろなところがありますので、ガイドを読んで、どうしてもわからないところはこの手引き等を参考にしていただいて、皆さん方は専門家の立場ですので、ぜひお手元で使っていただければと思います。
どうもありがとうございました。(拍手)
岡
楠田先生、どうもありがとうございました。
新しいガイドの背景にある考え方を含めてご説明いただけたかと思います。新しいガイドは、ほんとうに育児支援の観点でつくられて、お母さんたちの不安に寄り添うということでつくられております。そういったことをご説明いただけたかと思います。
それでは、次の講演の2番に移らせていただきます。では、先生、よろしくお願いします。