2.食物アレルギーの考え方…制限食をやめましょう…(13)

さあ、次は皆さんの気になるところですね。先ほど、岡先生も出されていました図です。保育したい人がどんどんふえているというものです。保育園の増加がやっと追いついているかどうかというところですね。4人に1人は誤食を経験しています。誤食のうち、ほとんどが自宅やレストランで起きていますが、7%は保育施設で起こっているんですね。決して多くはないので、非常に皆さんしっかりされているんだなと感じます。親のほうが、多少いいかげんかもしれません。これを細かく見ると、少し気になるデータがあります。学童保育では事故が多めなんですね。この原因が何かはっきりわかればいいです。

スキンケアの重要性

次は保育所における対応ガイドラインの見直しについてです。2019年4月に行われています。ここで強調されているのは生活管理指導表です。これで意思疎通をちゃんとしましょう、医者もちゃんと書きましょうということです。管理指導表は医師しか書いてはいけません。親が勝手につけ足したり、他の人がつけ足してはいけません。管理指導表は運用が必須である、皆さんちゃんと使ってくださいということになりました。

スキンケアの重要性
スキンケアの重要性

これは、最新のものです。うちの外来では、もう過半数がこの紙を使っています。保育所の方、すごく素早い対応ですね。ほんとうに喜ばしいことです。

左下は変わってなくて、内服薬とエピペンの記載です。これがあれば、投薬指示書は必要ないと考えます。紙というのは、できるだけシンプルにしたほうがいい。2つ書いてある紙があると間違いが生じますので、できるだけ1つの紙に全ての情報を載せておいたほうがいいと思います。もちろん保育所によっては、看護師がいて、薬を全部管理しているからというので、投薬指示書が必要な場合もあるかもしれませんが、できればシンプルにしたほうがいいと考えます。

今回、「保護者と相談」だったのが「管理必要」となりました。「保護者と相談」というと、相談の余地があると思われるかもしれませんね。ここは医師がしっかり決めるということです。

そのほか、食材を扱う活動を記載する場所もありますし、緊急連絡先がシンプルになりましたね。それと、除去解除の申請書ですが、お示ししている様式を使われる施設がだんだん増えてきました。保護者の氏名のみで、医師の診断書ではありません。医師のサインは必要ありません。共働きで皆さん忙しいですし、出すためにお金もかかるし、そこは保護者の責任で除去解除をお願いするというふうになっています。

スキンケアの重要性

大事なことですが、状況に合わせて運用してください。決して無理しなくていいです。自分の施設でできる範囲でやらないと、絶対事故が起きますから。原則的に、完全に除去、全除去が原則です。それから、緊急連絡先を書くところが1カ所に集約されましたけれども、これは地域の近い救急病院を想定しています。

それから、もう一つは、何か起こったときに、スタッフの役割をしっかり決めてくださいということです。誰が電話、誰が患者さんを見て、誰が病院に連れていくといったことをちゃんと決めてくださいというのが記載されています。