2.食物アレルギーの考え方…制限食をやめましょう…(9)

さて、食物アレルギーの治療です。

まずは正しい診断です。実際は正しく診断されていないことが少なくありません。そして、必要最小限の除去につとめる。やはり栄養の問題があります。栄養を損ねてまで除去するべきかどうか、そのバランスが大切ですね。

最近、特異的経口免疫療法といいまして、少しずつ食べて治す方法があります。入院して、二、三週間でばんばん食べさせて治す急速法と、ゆっくり何カ月もかけて治していく緩徐法があります。安全性に関しては議論がありまして、専門施設で医師の指導のもとに行うべきで、原則的に倫理委員会など施設の委員会を通さないといけないのではないかということになっております。現時点では、あくまで研究的治療です。

食物アレルギー治療

それに比べると、こちらの方がより安全かなと思います。食物経口負荷試験をやって、どこまで食べたら症状が出て、どの辺までならオーケーか判定する。安全と判定した少量だけ食べさせる。その次の負荷試験でよくなってきていて、中等量まで食べられるようになった。そうしたら、今度は安全と確認した中等量を食べていく。また、時間がたって、さらに食べられるようになったら、その食べられる範囲内で食べていく。こういう食事指導が、多くの施設で行われています。