3.総合討論(4)

ありがとうございます。

先ほど、小林先生も最初におっしゃったように、実際にその患者さんを見ているわけではないので、限られた情報の中でのお答えという説明があったかと思いますけれども、特に保育園での対応について一般的な考え方というのは、今のお話で理解できたかなと思います。

それで、時間の関係もございますので、そろそろこのセッションをまとめたいと思いますけれども、授乳・離乳に関しては新しいガイドがつくられた。それで、楠田先生はそれを中心的にまとめられたわけですけれども、その考えの中には、今までと随分違った新しい考えがあったかなと思います。

母乳が出ないようなお母さん、あるいは産後鬱のお母さんなどにも寄り添うような形での授乳、あるいは育児支援を考えたという意見がかなり入っておりますし、最近の医学の進歩によって、特に低出生体重で生まれたりすることのマイナスといったことも強調されていたかと思います。

アレルギーに関しては、今まで我々医師の側が、どちらかというと除去してくださいとお願いしていたわけですけれども、ここ数年、手のひらを返すように、除去がよくないとお願いするようになったということで、しかも、小林先生が先ほど少しおっしゃっていたように、医師全員が全員それを遵守しているかというと、そうでもないというところがある。それは、私どもの問題ですので、解決しなければいけないと思いますけれども、基本的には、例えばピーナッツアレルギーはピーナッツを食べることによって、実は発症が防げる。ただ、ピーナッツアレルギーを発症して、アナフィラキシーのある方は別だということですよね。アナフィラキシーが起こっている方は別なんですけれども、発症していない方に過剰に予防することは、実はマイナスだったと。

だから、私たちは、ほんとうにそこはおわびしないといけないんですけれども、そういう中で、保育園では、ぜひ新しい考え方に基づいて、それで、小林先生が最後にいろいろな資料をただでダウンロードできるものも数多くあるということでご紹介いただきましたけれども、そういうものを参考にしていただきながら、ご家族にご説明いただければと思います。

こういうことを言うと余りよくないかもしれないですけれども、私の感じでは、アレルギーをお持ちのお子さんの親御さんは非常に心配性で、なかなかお話が難しいという感じがございます。小林先生は、毎日そういう診療をされているんだと思いますけれども、恐らく保育の場面でも、非常に皆さんご苦労されていることが多いと思います。先ほど申し上げたように、医師も保育、ご家庭と協力しながら、コミュニケーションよく、その子供のためにお役に立ちたいと思っていますので、ぜひそこをこれからもさらに改善していければと思います。

今日は、このお二人の先生にご講演いただいて、私も非常に学ぶところが多かったですけれども、最後にお二人の先生にもう一回拍手をしていただいて、このセッションを終わらせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。(拍手)