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特集 「子どもたちをタバコから守るために」

静岡市保健所長 加治正行先生

タバコは子どもたちの体と心を蝕む大きな要因となっています。

タバコの害が明らかになった現在では、喫煙する人は年々減っていますが、年齢別にみると、妊娠・子育て世代にあたる若い男女の喫煙率が他の世代に比べて高いのが特徴です。厚生労働省の平成21年度調査によると、わが国の成人の喫煙率は男性38.9%、女性11.9%ですが、20歳代では男性40.3%、女性15.9%、30歳代では男性46.9%、女性16.8%と高い数字になっています。

そのため、わが国では多くの子どもたちが家庭でタバコの煙を浴びる(受動喫煙)生活を余儀なくされています。また、妊婦さんの喫煙・受動喫煙によって、多くの胎児がタバコの煙に含まれる有害物質にさらされています。

タバコは誰にとっても有害ですが、大人に比べて胎児や子どもが受ける健康被害は、より深刻です。

また、親が喫煙していると、その子どもも将来喫煙する率が高くなることが知られています。喫煙の害は、親から子へ、子から孫へと連鎖するのです。この連鎖を断ち切って、子どもたちをタバコの害から守ることは、大人の大きな責任です。

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