—保育園や幼稚園での除去食の対応のガイドラインを作成しているというお話でしたけれども、それは国全体で決まって、全保育園・幼稚園に共通のものになるのですか。
海老澤まず、厚生労働省が保育園の管轄省庁なので、厚生労働省から、保育園保健協議会の理事長をやっている方に対して、アレルギーに関して保育園向けのガイドラインをつくってほしいという委託がありました。それで、私がその先生から呼ばれて、アレルギー性鼻炎や結膜炎、喘息とか、ほかは結構簡単にできるのですけれども、特に難しいのは食物アレルギーとかアナフィラキシーのところで、いま、やっているところです。
厚生労働省から委託されているので、それを厚生労働省の保育課が見て、たぶん全国に向けて厚生労働省のガイドラインとして出すと思います。ガイドラインというのは拘束力はないんですけれども、基本的には、文部科学省が学校でのアレルギー取り組みガイドラインというのを出すと、東京都とか、横浜市とか、川崎市とか、いま、だんだん対応が広がっていますので、かなりの市町村はそういうものを積極的に取り込んでいこうとされるんですね。だから、ある程度専門家が入ってきちんとしたものができてくると、そういうものが標準的なものになっていくだろうと思います。
ただ、ある地域、例えば大阪とか神戸とか京都は、学校でのアレルギー取り組みガイドラインというのは無視しているんです。なぜ無視しているかというと、東から来るものは嫌いなんですよ(笑)。おかみから来るものは大嫌い、そういうスタンスもあります。
ですから、いま、オセロではありませんが引っ繰り返っていって、どんどん広がっているところなんです。保育園に関してもそういうものが出ると、皆さんはいつでもそれを見ることができるようになるから、逆にご自分たちの食物の管理表を、そういうものに沿ったものに直していくというのはすごくやさしくなりますよね。それに対する取り組みガイドラインが出て、それをポイント、ポイントで見ていけば、自然に誰でも対応できるような形のものをつくりますから、すごくやさしくなると思います。
だから、ぜひ期待していていただきたいし、自分の意見をぜひ反映させてほしいということであれば、研究会ではパブリックの皆さんにお話しするので、そういうところに来ていただいて、実際こういうことに困っているということをお話しいただければ、対応できると思います。