1.子どもの心の発達(2)

それからあとは、乳児が出すサインに母親が応え、母親が出すサインに乳児が応えます。母親は母親として、乳児は月齢相当に育っていきます。これを母子相互作用と言います。先程お話した様に、4ヶ月児の母親は、4ヶ月の未熟な母親であることをお忘れなく対応してください。

母子相互作用

これは母子相互作用のスライドです。お互いにサインに応え合って、親は親らしく、子どもは子どもらしく、育って行く図です。

養育者が子どものよいも悪いも丸ごと受容して、触れ合いを行っていますと、養育者と子どもの間に情愛の絆が形成されます。これをアタッチメントの形成と言います。

アッタチメントの形成

養育者が子どもの良いも悪いも丸ごと受容し、子どものサインに適切に応答「ふれあい」をしていると、養育者と子どもの間に情愛の絆が形成されます。これをアッタチメントの形成(情愛の絆)の形成と言います。

愛着形成は子どもの心が育つ基本です。愛着形成がなされていると不安などの激しい感情がおこったときに自然に感情が収められる事と、母親を安全基地として探索行動をおこない、母親から自立していけることです。愛着形成がなされていないとその先の心の発達が困難となります。子どもは、常に防御行動をとるようになります。ボンデング障害につきましては、後ほど井原先生の講演があります。いろいろな不安や怖い感情が起こったときに母親に「くっつき」、不安を和らげ探索行動を行い、甘えと反抗を繰り返しながら子どもは自立していきます。母親を安全基地として「くっつき」、それを鎮めることができます。再び親から離れ探索行動の旅にでます。これが育っていないと、かんしゃくだとか自己調節障害が起こったりします。愛着が育っていますと、間主観性、これは相手の気持ちが理解されることで、思いやりが育ちます。相手の様子を見て、悲しい、嬉しい等は判るのです。

次に愛着障害の身体的影響です。ホスピタリズムは入院して親が来ない赤ちゃんは元気がない、寂しい状態となります。それから愛情剥奪性小人症です。身体的調節障害とか食事や睡眠リズムの障害、さらには認知・感覚・運動の障害も起こります。愛着形成は心の発達の基本であるばかりでなく、身体的にも影響を及ぼすのです。

愛着障害の身体への影響

  1. *ホスピタリズム
  2. *愛情剥奪性小人症
  3. *身体的調節障害:食事や睡眠のリズムが障害。
  4. *認知・感覚・運動機能の障害

園で乳幼児の世話をしていると抱きしめたり、語りかけたりなどの自然のスキンシップをする機会が増えてきます。乳幼児は、親にたっぷり抱きしめられたのと同じ効果になります。これによって、乳幼児は心の安らぎと、人に対する信頼感が増加します。ですから、乳幼児の世話をする人は、子どもをかわいいと思い、子どもの世話をすることに喜びを感じていれば、子どもの心は育ちます。

保育士や幼稚園教諭

乳幼児の世話をすると、抱きしめたり、語り掛けたりなど自然のスキンシップ(ふれあい)をする機会が増加します。乳幼児は親にたっぷり抱きしめられたのと同じ感情となり、心の安らぎと人に対する信頼感が増加します。

親を育てる事は大切です。母親の周囲に支援する人や悩みを聞いてくれる人がおり、傍にいるだけで親の気が休まる人がいれば、親の心は育っていきます。

事前の質問に「親に対する対応」が沢山ありました。総合討論で応える前に、人の心は鏡です。相手を受容し好意的な気持ちで接すれば、肩を張った親の気持ちも緩んできます。お互いに信頼関係が成立すれば、話し合いが可能となります。