3.保育における愛着形成(15)
子どもとのやり取りを記録し、大人の応答を消すと、子どもの気持ちが表れた口頭詩を創ることも出来ます。そういうなにか「楽しい保育の世界」を先生方が切り開いていかれることを期待したいと思います。
それには園長先生や主任先生にもひと頑張りしていただく必要がありますね。庭のない保育園が次々にできるご時勢ですから、保育には困難が付きまといます。ここでコンタクトをとる園長先生を中心にして、中間のリーダーの方たちがそれぞれの場をまとめていくこと、そして何よりも大切にしていただきたいのはクラスの中のまとまりです。
わーっと広い保育室の中を大勢の子が走り回っていたら、ちょっと区切ってみて、小グループの保育を試みるだけでも、落ちついた保育に変わると思います。そうした先生方のちょっとした工夫が、子どもに拠り所を与え、安定した生活をもたらすことでしょう。0歳児から保育を受ける子どもが拡大している時代だからこそ、疲れただけに終わらないで、子どもと心を通わせ合い、先生方同士も気持ちを通じ合わせ、「これをやってみたらおもしろかった!」という工夫と発見を積み上げられる保育を展開していただくことを期待しております。そこにはこういう保育がしたいという「保育アイデンティティ」やこういう保育者でありたいという「保育者アイデンティティ」が育まれていくでしょう。そして何よりも重要なことは、母親の子育て支援の最前線で奮闘する先生方が「生き甲斐をもって働ける職場」で「保育スタッフが子育てと仕事を両立できる体制」を手にすることだと思います。そのことが子どもたちの未来を拓き、大きな子育て支援になると思います。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
前川(座長)
どうもありがとうございます。非常に経験に基づく蘊蓄のある話をありがとうございました。
時間の関係で、前半はこれで終わりたいと思います。