1.子どもの心の発達(5)

こころの土台 自己肯定感

これは、明橋大二先生がタッチケア研究会のときに示したスライドです。

子どもの心の土台は、自己肯定感を育てるということがこれで示されております。子どもに自己肯定感を育てる言葉「よくやった、ありがとう、おまえがいてうれしいよ、これからも頼むよ、失敗しても大丈夫、必ずできるよ、お父さんは信じている」等です。園で子どもの自尊感情と自己肯定感を育てる事は重要なことです。

子どもの心に自己肯定感を育てよう。

  1. *よくやった!
  2. *有難う。
  3. *お前が居て嬉しいよ、これからも頼むよ。
  4. *失敗しても大丈夫、必ずできるよ。
  5. *お父さんは信じているよ。

子どもと接している保育士や幼稚園教諭は、子どもの良いところを見つけて褒めてください。持っている良いところを具体的に伝えてください。子どもは甘えと反抗を繰り返しながら育ちますので、子どもが来たら、うんと甘えさせてください。たくさん子どもに甘えさせることが、子どもが自立する早道なのです。

子どもが親から離れて自立するのに必要な心は、自己肯定感と自尊感情です。養育者は、子どもの欠点や悪いところを直そうとしますが、これは間違いです。子どもが生きる自信をなくし、駄目な必要がない人間と考えてしまうからです。

甘えさせて、褒めて、子どもがいることを親が心から喜んでいれば、子どもは自分が必要な人間とわかり、自尊感情や自己肯定感が育ちます。保育をしている人も同じです。子どものよいところを見つけ、褒め、うんと甘えさせてください。これが子どもの心が育つ保育です。園における幼児の保育について、ブランコの立ちこぎ、滑り台、鉄棒にぶら下がるなどの実体験をさせてください。挑戦して出来なかった時の挫折感、何回か挑戦してできるようになった時の達成感、失敗して転んだとき疼痛等、好きなオモチャを他の子が使っていて、自分が使いたいときのコミュニケーション、意地悪、けんかの対応などは子どもの時に経験すべきことです。園で出来る範囲で子どもに体験をさせてください。実体験が無い親が多くて対応に困っております。

これで私の話す内容は終わりました。今の講演で特にわからないことがありましたら、質問をください。そうでなければ、総合討論のところで、全体についての質問は受けさせていただきます。

次は、井原先生に、母親の障害と子どもの愛着形成障害、ボンデング障害のお話をいただきます。井原先生は、臨床心理士として、30年以上にわたり、東京慈恵会医科大学小児科で子どもたちの問題について対応してきました。育て直し、箱庭療法、子どもの描いた絵などを分析し、支援に役立ててきました。アタッチメントの理論は、探索とアタッチメントの2軸があるのに、実際は探索がないがしろにされております。2歳過ぎになると、母親を安全基地として、子どもは探索行動を行います。探索行動という自立の旅に旅立つのです。そして、いろいろな経験をして、反抗と甘えを繰り返しながら、母親から自立していくのです。このことを知って、先生の味わい深い話を拝聴してください。

それでは、井原先生、よろしくお願いします。