4.総合討論(1)

前川

貴重な質問を多数いただきましたが、演者が熱心に講演し過ぎたので、時間がありません。演者1人ずつ、今の親にどうしてつき合うかという回答のヒントを話してください。それから、いただいた質問は、僕らが回答して、それを雑誌『ふたば』に載せます。それで勘弁してください。現在の20~30代の親の対応について沢山の質問がありました。現在の親の置かれている状況と対応のヒントについて話します。

現在は殆ど総ての家族がスマホ、タブレット、ゲーム機は持っています。TV、ビデオは総ての家庭にあり食事中も動画を見ており、家族の会話はみられません。触れ合い育児が行われていないのです。「触れ合い」とは人間同士のスキンシップ(声を掛けながら抱っこする、声をかけながらさする、抱っこして母乳を与えるなど)スキンシップによる子育てです。現在の20歳代から30歳代の母親は携帯を使い放題、核家族で周囲に支援する人が殆どおらず、子どもをどう育てて良いか判らないのです。

日本の子どもは自己肯定感が低いと言われてます。この感情は、誰からも必要とされない、誰からも大切と思われていない、生きる価値がない人間だなどの感情です。これが育っていないとその後の人生がまともに生きられません。親の言う事を聞く手が掛からない良い子が多いのです。子どもが持つ欲求や反抗を抑えており親子の関係が希薄、自己肯定感が低いのです。自尊感情・自己肯定感を育てるには子どもの良いところを見付けて、伝え誉めます。子どもが家族のことをしたときは「有難う」と感謝します。子どもが家族の一員であり、有意義な存在であることを…機会るごとに子どもに伝え、理解させます。子どもは自分の存在が家族や周囲の人に役に立つ価値ある存在であることを理解します。

自己肯定感を育てるには、泣いたらかまってやる、子どもの話をよく聴いてやる、気持ちを汲んでやる、テストが60点でもそれを認めて誉める、有難う、よくやったなど、言葉で伝えます。子どもは嬉しい、喜ぶ、生きていて呉れて有難う。有難うは最高の褒め言葉、親や大人は殆ど言いません。