保育者による遊び環境のデザイン
遊びは、保育の中核であり、遊びの質を高めることが子どもの育ちの保証につながります。保育所・幼稚園の失敗例を以下に紹介します。
- 遊びは子どもの自発性にまかせるべきとして放任している園
- 保育者間で遊びの質のとらえ方が共通理解されていない園
- 遊びを幼児教育や保育の中心としてとらえておらず休み時間とする園
いずれも、遊びと学びの重要な関係が理解されておらず、園内または保育者間の考え方のすり合わせができておらず、環境構成や援助の手立てに違いが見られるといった問題が起きてしまいます。そうした園の子ども達は、同じ遊びを繰り返して停滞し、遊びのテーマや場、仲間を自己選択できず、課題解決に向かう活動が展開されにくくなっています。そして、子どもの主体性が発揮される場面が少なくなります。結果的に、イメージする力や社会性の発達に遅れが生じてしまいます。
保育による遊びは、一日の中で自由に遊ぶ時間(自由遊び)と、クラスなどでまとまって行う一斉保育の時間(設定遊び)があります。時間や場面の違いに加えて、保育者による子どものとらえ方や課題設定、関わり方などが大きく影響されます。子どもは、はじめから明確な意図やめあてをもって遊ぶのではありません。対象との関わりを通して、次第にやりたいこと(方向)が明らかになり、見通しをもって遊びを展開させていきます。保育者による関わり方や環境つくりによって、子どもの遊びは大きく変化します。遊びの重要性を意識した環境をデザインしましょう。