総合討論(17)
だから、その慣れさせ方をどういうふうに工夫するか。最初は見ているだけ、最初はにおいをかがせるだけ。一口だけ入れて、「あとは出してもいいよ」というやり方をなさっている方もいらっしゃいます。だから、その子に応じてどのぐらい極端に嫌がるかということもあるわけです。同じ部屋にその食べ物があるだけで、ゲーゲー吐いちゃうというお子さんもいました。ものすごい過敏ですよね。その子に頑張れと言っても、頑張れないですよね。その場合には、同じ部屋にあって吐いちゃうような症状が出るお子さんであれば、一旦そのものは排除するしか方法としてはありませんが、同じ空間にはいられるとか、見ることはできるというのであれば、見ていこうよ、見ようよ、というようなことは大事だろうと思います。
ちょっとずつ慣れさせていくことで、実は偏食って改善率はものすごく高いです。今日いらっしゃっている先生方の多くは、乳幼児を対象とされている先生方だと思います。学校に行ったりすると、結構食べているお子さんは多いです。恐らく先生方のご苦労の賜物だと思っています。ただ、それが幼児期に「いいよ、食べなくて。今どき死にはしないから」とやっちゃうと、過敏さを増していくこともありますので、ぜひ、無理がない感じで。
一方で、おうちでは食べられます、園では食べないという場合もあるし、それから、園では食べるけどおうちでは食べないという子もいるんですね。その場合、「食べれるんじゃないか。じゃあ食べなよ」とやられると、子どもたち、それでギャーっとなったりする場合も多いです。どっちかの場面では、我慢しなくちゃ、ここでは頑張ろうかなと思っている場合もありますので、様子を見ながら進めていただけるといいかなと思います。
前川 ありがとうございます。